2月23日に56才のお誕生日を迎えられてから、東宮御所外での公務に初めてお出ましになった皇太子さま。宮内庁ホームページには、お誕生日会見でのお言葉が掲載されているが、皇太子さまが会見でお話しになりながら、ホームページ上では削除されている文言がある。それは皇太子妃雅子さまについて言及した部分だった。
「公私ともに、私を支えてくれるのと同時に、愛子の日々の生活やその成長に心を配ってくれていることをありがたく思っています…失礼、心を配ってくれていることをうれしく思っております」と述べられたのだが、この部分がホームページでは「公私ともに、私を支えてくれるのと同時に、愛子の日々の生活やその成長に心を配ってくれていることをうれしく思っております」と記載されている。
ホームページ上に皇太子さまのお言葉が掲載されるまでの経緯は定かではない。しかし事実として《ありがたく》という文言が“消された”ことに、「皇太子さまが、言葉ひとつとっても慎重にならざるを得ない構図がある」というのは、神道学者の高森明勅氏だ。
2004年に療養生活に入られて以降、雅子さまには何度となく厳しい声が浴びせられてきた。
「公より私を優先しすぎている」
「公務を選り好みしている」
「皇太子妃としての務めを果たしていない」
そういった批判が集中し、ご体調のご快復ぶりが感じられる最近でも、完全復帰に疑問を呈する意見も少なくない。雅子さまへのバッシングは“過剰”ともいえるレベルに達している。
「“ありがたく”という言葉にはもともと、感謝の意味に加え、相手を尊敬する、といったニュアンスが含まれています。文言の削除は、“皇位継承順位第1位である皇太子殿下が、妃殿下にかけられる言葉としてはそもそもふさわしくない”という皇太子殿下のご配慮だった可能性もあると思います」(前出・高森氏)
ここまで皇太子さまが神経質になられる原因について、高森氏はこう続ける。
「世間一般もそうですが、ことさら宮内庁の内部に“アンチ雅子妃派”、あるいは“アンチ東宮家派”といった勢力が存在していると思われます。
そういった人物が確信犯的に、加工したりねつ造した偏った情報を流しているのではないか。雅子妃へのバッシングに、事実に基づかない悪意ある一方的な報道や論評が多く見られることからも明らかだと思います」
皇太子さまが発せられた「ありがたく」という一言が広げる波紋は小さくないようだ。
「“自分の責務をしっかり果たせていない雅子さまに対して、ありがとうなんてお言葉をおかけになるとは”と、皇太子さまへの批判の声につながることも考えられました。
その延長で、やっと光明の見え出した雅子さまへの辛辣な意見につながってしまうことを懸念されたわけです。皇太子さまとしては、それだけは避けたかったのでしょう。
“消されたお言葉”の理由には、雅子さまをお守りするための皇太子さまのお気持ちがあった気がしてならないのです」(宮内庁関係者)
撮影■雑誌協会代表取材
※女性セブン2016年3月17日号