国内

宮崎、武藤氏ら2012年組が誤算 自民党候補者公募の問題点は

自民党候補者公募の問題点は

 今夏の参議院選挙を憲法改正のチャンスと意気込んでいた安倍晋三・首相の選挙戦略に大きな狂いが生じている。最大の誤算は本誌が報じた参院選の目玉候補、SPEEDの今井絵理子氏の「婚約者の逮捕歴」問題だ。婚約者が昨年3月、女子中学生を含む18歳未満の少女3人にみだらな行為をさせた容疑(児童福祉法違反)で那覇署に逮捕され、処分保留で不起訴になっていたのだ。

 参院選“異変”の原因となった「ゲス不倫」の宮崎謙介氏をはじめ、金銭トラブルなどで自民党を離党した武藤貴也氏、「マスコミを懲らしめる」との圧力発言をした大西英男氏など、失言や不祥事を起こした議員には2012年の候補者公募で選ばれた議員が多い。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏は、候補者公募の問題点を指摘する。

「小選挙区制の衆院選は候補者の努力ではなく、党の力で当選が決まる。だから公募で政治家を目指す候補者は当選しやすい勢いのある政党から出たい。2009年の政権交代選挙の際には、候補者の多くが民主党からの出馬を希望し、民主党に選ばれなかった二番手、三番手の人材が野党時代の自民党の公募に応募したケースが多い。

 しかも、公募で重視されるのは党の隠語で『ピカピカの履歴書』と呼ばれる学歴やルックスだけで、身体検査が甘くなる。そんな自民党の公募候補者たちが2012年の総選挙で大量に当選したのだから、ボロが出るのは当然と言えば当然なわけです」

 参院選も、かつての自民党では地元で当選回数を重ねた有力な県議、あるいは役所をバックにした有力官僚OBが候補者に選ばれ、「実績」という身体検査の機能が働いていた。だが、現在は与野党とも公募で「若手」や「女性」を優先的に選ぶ傾向が強く、身体検査は機能しない。

※週刊ポスト2016年3月18日号

関連記事

トピックス

第1子を出産した真美子さんと大谷(/時事通信フォト)
《母と2人で異国の子育て》真美子さんを支える「幼少期から大好きだったディズニーソング」…セーラームーン並みにテンションがアガる好きな曲「大谷に“布教”したんじゃ?」
NEWSポストセブン
俳優・北村総一朗さん
《今年90歳の『踊る大捜査線』湾岸署署長》俳優・北村総一朗が語った22歳年下夫人への感謝「人生最大の不幸が戦争体験なら、人生最大の幸せは妻と出会ったこと」
NEWSポストセブン
コムズ被告主催のパーティーにはジャスティン・ビーバーも参加していた(Getty Images)
《米セレブの性パーティー“フリーク・オフ”に新展開》“シャスティン・ビーバー被害者説”を関係者が否定、〈まるで40代〉に激変も口を閉ざしていたワケ【ディディ事件】
NEWSポストセブン
漫才賞レース『THE SECOND』で躍動(c)フジテレビ
「お、お、おさむちゃんでーす!」漫才ブームから40年超で再爆発「ザ・ぼんち」の凄さ ノンスタ石田「名前を言っただけで笑いを取れる芸人なんて他にどれだけいます?」
週刊ポスト
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
「よだれを垂らして普通の状態ではなかった」レーサム創業者“薬物漬け性パーティー”が露呈した「緊迫の瞬間」〈田中剛容疑者、奥本美穂容疑者、小西木菜容疑者が逮捕〉
NEWSポストセブン
1泊2日の日程で石川県七尾市と志賀町をご訪問(2025年5月19日、撮影/JMPA)
《1泊2日で石川県へ》愛子さま、被災地ご訪問はパンツルック 「ホワイト」と「ブラック」の使い分けで見せた2つの大人コーデ
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で「虫が大量発生」という新たなトラブルが勃発(写真/読者提供)
《万博で「虫」大量発生…正体は》「キャー!」関西万博に響いた若い女性の悲鳴、専門家が解説する「一度羽化したユスリカの早期駆除は現実的でない」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
《美女をあてがうスカウトの“恐ろしい手練手管”》有名国立大学に通う小西木菜容疑者(21)が“薬物漬けパーティー”に堕ちるまで〈レーサム創業者・田中剛容疑者、奥本美穂容疑者と逮捕〉
NEWSポストセブン
江夏豊氏が認める歴代阪神の名投手は誰か
江夏豊氏が選出する「歴代阪神の名投手10人」 レジェンドから個性派まで…甲子園のヤジに潰されなかった“なにくそという気概”を持った男たち
週刊ポスト
キャンパスライフを楽しむ悠仁さま(時事通信フォト)
悠仁さま、筑波大学で“バドミントンサークルに加入”情報、100人以上所属の大規模なサークルか 「皇室といえばテニス」のイメージが強いなか「異なる競技を自ら選ばれたそうです」と宮内庁担当記者
週刊ポスト
前田健太と早穂夫人(共同通信社)
《私は帰国することになりました》前田健太投手が米国残留を決断…別居中の元女子アナ妻がインスタで明かしていた「夫婦関係」
NEWSポストセブン
子役としても活躍する長男・崇徳くんとの2ショット(事務所提供)
《山田まりやが明かした別居の真相》「紙切れの契約に縛られず、もっと自由でいられるようになるべき」40代で決断した“円満別居”、始めた「シングルマザー支援事業」
NEWSポストセブン