昨年来の原油価格の下落に伴い、ガソリン価格が安くなるなどの影響が出ているが、企業のなかには原油安の恩恵で、想定外の業績の伸びを見せているところもある。投資妙味も高いそうした企業について、ハンドルネーム「LOVE WHISKY」の名でデイトレーダーの先駆けとして活躍したファイトレードコーポレーション代表・石橋明佳氏が解説する。
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段ボール生産で国内トップのレンゴー(東証1部・3941)は、主要原料である段ボール古紙価格が想定以上に高い水準で推移したなどの理由で昨年11月に、2016年3月期の通期営業利益予想を160億円から140億円へ、経常利益予想を170億円から145億円に下方修正していた。
だが、2月2日に発表された第3四半期累計決算は、営業利益は121億9200万円(前年同期比87.7%増)、経常利益は132億3200万円(同74.8%増)を達成。その通期計画に対する進捗率は、それぞれ87.1%と91.3%に及び、一転して増額修正が視界に入ってきた。原油安の恩恵を受け、原材料高を燃料価格の下落が大きく補ったことが牽引した。
同社は成長戦略を加速させるため、淀川工場の閉鎖を含むグループ全体の段ボール生産体制の再構築を図っており、今後の収益改善にも期待が高まる。ファンダメンタルズ的にはまだ割安感があり、今が狙い目だろう。
※マネーポスト2016年春号