ビジネス

年間約30億個製造の食パン袋閉じるアレ 製造工程は企業秘密

食パンの袋を閉じる「アレ」の名前は?

 身近にあるのに名前が知られていないものの代表格に「食パンの袋を閉じるアレ」がある。その名前は「バッグクロージャー」。国内ではクイック・ロック・ジャパンのみで製造され、日本中に流通するパンの袋の口を閉じている。1日1500万個、年間約30億個を作る会社を訪ねた。

 その誕生は米国「クイック・ロック」社の創立者フロイド・パクストン氏が1952年、「リンゴを詰め込んだ袋の口を簡単に閉じる方法はないか」という相談を受けたことがきっかけだった。移動中の飛行機の中でプラスチックの破片を「ああでもないこうでもない」とポケットナイフで削ったことで原型が生まれた。

 その後、製パン業界に普及。国内では日本法人が設立された1983年から流通し始めた。

 製造工程は残念ながら「企業秘密です」(営業部・鈴木敦氏)。4000個が繋がったロールごとに出荷され、出荷先で同社製の自動結束機を使って袋閉じや賞味期限などの印字を行なう。バッグクロージャーに製品のPRを貼りつけた「ラベルクロージャー」もある。

 製パン会社で使用する色が異なり、国内では青や白、緑が多い。

 その活躍はパンだけに留まらない。アメリカでは主に野菜や果物の袋を閉じるために使われる。そのためパン用より倍近く大きい物が流通している。また国内でも、神奈川県警で証拠品を入れる袋を閉じるために使用されている。

「一度食パンの袋を開封した後は捨てられがちですが、正しい使い方をすれば何度でも再使用できるんです。大切に使ってうまく生活の中で利用してもらえると嬉しいです」(同前)

 バックロージャーは取り外すとき、全体を軽く反らせて両端を支えながら外すのが正しい使い方。片方の端だけをひねって外すと、傷めてしまう。

※週刊ポスト2016年3月18日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

広末涼子容疑者(時事通信フォト)と事故現場
広末涼子、「勾留が長引く」可能性 取り調べ中に興奮状態で「自傷ほのめかす発言があった」との情報も 捜査関係者は「釈放でリスクも」と懸念
NEWSポストセブン
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”川崎春花がついに「5週連続欠場」ツアーの広報担当「ブライトナー業務」の去就にも注目集まる「就任インタビュー撮影には不参加」
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された
〈不倫騒動後の復帰主演映画の撮影中だった〉広末涼子が事故直前に撮影現場で浴びせていた「罵声」 関係者が証言
NEWSポストセブン
筑波大の入学式に臨まれる悠仁さま(時事通信フォト)
【筑波大入学の悠仁さま】通学ルートの高速道路下に「八潮市道路陥没」下水道管が通っていた 専門家の見解は
NEWSポストセブン
広末涼子容疑者(時事通信フォト)と事故現場
《事故前にも奇行》広末涼子容疑者、同乗した“自称マネージャー”が運転しなかった謎…奈良からおよそ約450キロの道のり「撮影の帰り道だった可能性」
NEWSポストセブン
長浜簡易裁判所。書記官はなぜ遺体を遺棄したのか
【冷凍女性死体遺棄】「怖い雰囲気で近寄りがたくて…」容疑者3人の“薄気味悪い共通点”と“生活感が残った民家”「奥さんはずっと見ていない気がする」【滋賀・大津市】
NEWSポストセブン
坂本勇人(左)を阿部慎之助監督は今後どう起用していくのか
《年俸5億円の代打要員・守備固めはいらない…》巨人・坂本勇人「不調の原因」はどこにあるのか 阿部監督に迫られる「坂本を使わない」の決断
週刊ポスト
女優の広末涼子容疑者(44)が現行犯逮捕された
「『キャー!!』って尋常じゃない声が断続的に続いて…」事故直前、サービスエリアに響いた謎の奇声 “不思議な行動”が次々と発覚、薬物検査も実施へ 【広末涼子逮捕】
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《中山美穂さん死後4カ月》辻仁成が元妻の誕生日に投稿していた「38文字」の想い…最後の“ワイルド恋人”が今も背負う「彼女の名前」
NEWSポストセブン
再再婚が噂される鳥羽氏(右)
《芸能活動自粛の広末涼子》鳥羽周作シェフが水面下で進めていた「新たな生活」 1月に運営会社の代表取締役に復帰も…事故に無言つらぬく現在
NEWSポストセブン
山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン