食べログの評価点の仕組みとは?(同HPより)
世の中に数多く存在するグルメサイトの中で圧倒的な知名度と人気を誇るのが、日本最大の口コミサイト『食べログ』だ。同サイトの人気のポイントは何といっても店を訪れた客たちが評価する「星(★)」である。月間6400万人が利用する『食べログ』だが、休日の食べ歩きが趣味だという40代男性は、食べログを利用している際にこんな疑問に遭遇した。
「あれっ、この店のレビューってどれも★が3つか4つ並んで高評価なのに、総合評価は★2.9だ。評価って単純に投稿者の付けた★の平均じゃないの?」
もしや計算ミス!? 同サイトを運営するカカクコム広報室の担当者が解説する。
「実は、食べログの評価点は単純な平均点ではありません。私たちは『食通度合い』と表現しているのですが、投稿いただくレビュアー(レビューを書き込む人)様ごとに点数に及ぼす影響度を数値化させていただいています。そうした独自の数字を使った計算方法で、点数が公正な評価になるよう工夫しているわけです」
つまり多くの店に通ってレビューをたくさん書き込んだ人は点数への影響力が大きく、数店しか書き込んでいない人は影響力が小さいということだ。
フードジャーナリストの松浦達也氏によると、「これは『食べログマジック』と呼ばれている」とのこと。そのシステムについて教えてくれた。
「運営側のいう『食通度合い』は“レビューの本数”“レビューの閲覧者数”“投稿する写真の枚数”などによって上がっていくようです。それが加味された上で全体の点数が決まる」
では、具体的にどのくらいから「影響力のあるレビュアー」になれるのか。1654店に書き込みを行なっている食べログの有名レビュアー、「うどんが主食」氏が語る。
「具体的な基準は明かされていないので分かりませんが、感覚的には100軒以上のレビューを書かないと影響力は大きくならないように思えます」
こうしたヘビーユーザーの意見を重視するシステムは、点数の公正化と安定を図るための工夫といえる。ただし、一部の声が大きなバイアスになってしまうこともある。
「このシステムでは、一部のカリスマレビュアーの評価によって点数が乱高下することもあるので注意が必要です。例えば多くの人が美味しいと採点していても、一部のカリスマレビュアーが『常連客が多くて嫌だった』『クレジットカードが使えず不便だった』といった理由で低い点をつけると、それに引っ張られて全体の評価が下がってしまうことがあるわけです」(前出・松浦氏)
※週刊ポスト2016年3月18日号