コラム

インバウンド関連の中核企業 観光分野に特化した人材派遣も

 株式市場における旬のテーマは、刻々と変化する。しかし、そうした中でも息の長いテーマが存在する。フィスコ・リサーチレポーターの三井智映子氏が、今後も引き続き注目を集めそうなテーマと個別銘柄について解説する。

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 全体相場が低調な推移を続けそうな中、長期保有でも安心感のある配当が高い銘柄や、お得感の強い株主優待がある銘柄が安値で拾える可能性が高まり、一層注目を集めそうだ。東京五輪・震災復興などの需要がまだまだ底堅い建設・不動産関連、人材ビジネス関連やインバウンド(訪日外国人)関連なども政策の後押しがあるので、引き続き注目テーマとなるだろう。

 インバウンド関連銘柄の中核的存在として、ヒト・コミュニケーションズの成長余地はまだ大きいと見ている。販売、接客、営業に強い人材サービス会社で、一般労働者派遣事業、有料職業紹介業、アウトソーシング事業などを手がけている。2011年に観光分野に参入し、国内外旅行の添乗員や通訳案内士などの観光分野に特化した人材派遣サービスも展開している。

 2016年8月期の第1四半期決算は、売上高が前年同期比12%増の70億9200万円、営業利益が同68.4%増の9億2900万円と高い伸びで着地。その決算発表に合わせて、中間期業績予想を上方修正し、営業利益は12億1500万円から13億7000万円(前年同期比34.5%増)に増額した。

 安倍政権の雇用制度改革で雇用の流動化が進むことを追い風に、同社の人材サービスは今後も需要増が続くことが確実視される。ROE(株主資本利益率)が20%を超えていることや、毎期増配を続けていることも魅力で、長期的にもお得感のある銘柄と見ている。

※マネーポスト2016年春号

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