《育児休暇=不倫ってイメージ付いちゃったね》
《育児休暇は必要ないってことだな 日本の男が子育てってのは無理なんだよ》
男性国会議員として初の育児休暇取得を宣言していた宮崎謙介元議員の“ゲス不倫騒動”。妻・金子恵美議員の出産直前に不倫していた彼の行動に、ネットはいまだに大騒ぎ。「男性育休不要論」まで飛び出している。
このゲス不倫を報じた週刊文春と同時期に発売された婦人公論で、宮崎元議員は、作家の吉永みち子さんと「男の育休」をテーマに真面目に対談していた。
《吉永「(宮崎元議員の育休期間が1か月間ということに触れて)一般的に、生後間もない赤ちゃんは寝ている時間が長いので、妻と一緒に夫が育休を取っても、それほどすることがない。これからずっと続く子育てに、どう参画していくのか明確にしていかないと」
宮崎「そういった意見もいただきました。妻の状態に応じて取得期間を検討します」》
対談相手の吉永さんが振り返る。
「なぜ夫婦一緒に出産直後に育休を取るのかという質問に、彼は答えられなかった。彼の育休取得は、政治パフォーマンスにしかすぎなかったんですよね。それでも声を上げただけ評価できると思っていたんですが…」
吉永さんは、冒頭のような「男性育休不要論」の広がりを危惧していると話す。
「宮崎元議員のしたことは非常に罪深い。ただでさえ男性の育休について理解を示さない人がいる中で、育休についての議論を不倫に矮小化させてしまいましたから。だからといって、彼の罪に私たちは振り回されてはいけません。男性の育休の重要性や必要性をとことん話し合うべきです。女性にとって、男性の育休がどれだけ大きな役割を果たすのか。そして男性自身にとってもどれだけメリットがあるのか。宮崎元議員と育休は切り離して考えてほしい」
すっかりしぼんだ男の育休論議。しかし、ここで口をつぐんでしまっては、男が子育てを「サポート」しかせず、それが「イクメン」としてもてはやされる社会、何より女性ばかりが「産む性」として仕事などをあきらめざるを得ない社会が何も変わらないことを意味する。
※女性セブン2016年3月24日号