国際情報

韓国の反日映画『鬼郷』 韓国人の対日観への影響必至

慰安婦映画『帰郷』(予告編。YouTubeより)

 小銃を担いだ日本軍人に娘が連れて行かれるさまに、両親は為す術もなく、道に泣き崩れた──。2月24日に封切られた韓国映画『鬼郷』の冒頭シーンである。14歳のときに“強制連行”されて慰安婦にさせられたという少女の悲惨な生涯を描いた映画だ。

 韓国内340か所の映画館で公開されると、わずか1週間で観客動員数170万人を記録する大ヒット。韓国人作家の崔碩栄氏は、2月末にソウル市内の映画館で鑑賞したという。

「館内はほぼ満杯で、休暇中の若い軍人、男女カップルなど7~8割が若い世代だった。映画が終わって若いカップルに感想を聞いてみたところ、日本軍の残酷さを目の当たりにしたためか、“気が重い”というひと言だけでした」

 この映画のモデルとなったのは、姜日出という元慰安婦の女性で、証言するたびに内容が変わることで知られる。連行されたときの状況も、当初は二人の巡査に連れて行かれたと証言しているが、後の証言では、いつのまにか軍人と巡査の二人に入れ替わっている。慰安婦問題に詳しい明星大学戦後教育史研究センターの勝岡寛次氏はこういう。

「映画の中では、数人の日本兵が少女を引っ張っていきトラックに乗せているが、これは朝日新聞が誤報を認めた虚偽証言に基づくもので、現実には韓国人業者が威嚇のために、警官に似た服装をしていたという元慰安婦の証言もあります」

 慰安婦の集団虐殺についてもそのような歴史的証拠は残されていない。それ以上に謎なのが、救出に来た独立軍である。

「当時、韓国には独立軍と呼べるような武装集団は存在しません。韓国光復軍という組織があることはあったが戦闘実績はほぼなく、実績といえばインド・ビルマ戦線で朝鮮系日本兵の投降を呼びかけたくらいしかありません」(前出・勝岡氏)

 この映画は、全編にわたってファンタジーの脚色が色濃い。ところが、日本人から見ると荒唐無稽に思えるこのイメージこそが、一般の韓国人が想像する慰安婦像そのものなのだ。同作の趙廷来監督は、記者会見でこう述べている。

トピックス

過去の大谷翔平のバッティングデータを分析(時事通信フォト)
《ホームランは出ているけど…》大谷翔平のバッティングデータから浮かび上がる不安要素 「打球速度の減速」は“長尺バット”の影響か
週刊ポスト
16日の早朝に処分保留で釈放された広末涼子
《逮捕に感謝の声も出る》広末涼子は看護師に“蹴り”などの暴力 いま医療現場で増えている「ペイハラ」の深刻実態「酒飲んで大暴れ」「治療費踏み倒し」も
NEWSポストセブン
初めて沖縄を訪問される愛子さま(2025年3月、神奈川・横浜市。撮影/JMPA)
【愛子さま、6月に初めての沖縄訪問】両陛下と宿泊を伴う公務での地方訪問は初 上皇ご夫妻が大事にされた“沖縄へ寄り添う姿勢”を令和に継承 
女性セブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン
松永拓也さん、真菜さん、莉子ちゃん。家族3人が笑顔で過ごしていた日々は戻らない。
【七回忌インタビュー】池袋暴走事故遺族・松永拓也さん。「3人で住んでいた部屋を改装し一歩ずつ」事故から6年経った現在地
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で天皇皇后両陛下を出迎えた女優の藤原紀香(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《天皇皇后両陛下を出迎え》藤原紀香、万博での白ワイドパンツ&着物スタイルで見せた「梨園の妻」としての凜とした姿 
NEWSポストセブン
“極度の肥満”であるマイケル・タンジ死刑囚のが執行された(米フロリダ州矯正局HPより)
《肥満を理由に死刑執行停止を要求》「骨付き豚肉、ベーコン、アイス…」ついに執行されたマイケル・タンジ死刑囚の“最期の晩餐”と“今際のことば”【米国で進む執行】
NEWSポストセブン
何が彼女を変えてしまったのか(Getty Images)
【広末涼子の歯車を狂わせた“芸能界の欲”】心身ともに疲弊した早大進学騒動、本来の自分ではなかった優等生イメージ、26年連れ添った事務所との別れ…広末ひとりの問題だったのか
週刊ポスト
2023年1月に放送スタートした「ぽかぽか」(オフィシャルサイトより)
フジテレビ『ぽかぽか』人気アイドルの大阪万博ライブが「開催中止」 番組で毎日特集していたのに…“まさか”の事態に現場はショック
NEWSポストセブン
豊昇龍(撮影/JMPA)
師匠・立浪親方が語る横綱・豊昇龍「タトゥー男とどんちゃん騒ぎ」報道の真相 「相手が反社でないことは確認済み」「親しい後援者との二次会で感謝の気持ち示したのだろう」
NEWSポストセブン
「日本国際賞」の授賞式に出席された天皇皇后両陛下 (2025年4月、撮影/JMPA)
《精力的なご公務が続く》皇后雅子さまが見せられた晴れやかな笑顔 お気に入りカラーのブルーのドレスで華やかに
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷(AP/アフロ、日刊スポーツ/アフロ)
《大谷翔平が見せる妻への気遣い》妊娠中の真美子さんが「ロングスカート」「ゆったりパンツ」を封印して取り入れた“新ファッション”
NEWSポストセブン