2015年9月に政府が女性の積極活用の企業優遇を打ち出したこともあり、主婦を労働力として積極活用しようと考える企業が増えている。
「男女雇用機会均等法制定当時に就職した、50才前後の女性に対する企業側の期待は高くなっています」
そう語るのは、「しゅふJOB総研」所長の川上敬太郎さん。主婦を取り巻く就活の現状はどうなっているのだろう?
少子化が進む日本の労働力不足は深刻だ。厚生労働省の調査によると、2001年から2015年までの労働力人口は、約150万人も減少しており、2025年までには、さらに300万人減ると予測されている。
そんな中、パート&アルバイトの有効求人倍率が、2015年11月に2.03倍と、過去最高を記録。主婦向け求人媒体「しゅふJOBサーチ」での主婦の求人数も、2012年1月から2016年1月までで、約15.5倍と飛躍的に増加している。その一方で、応募数は8.6倍にとどまっており、主婦は今、職を得やすくなっているのだ。
「2020年に開催予定の東京五輪が控えるなど、多くの企業は業務を拡大しようと、どんどんアクセルを踏みたい時期。労働力確保は切実です。
これまで労働力市場で戦力化が遅れていた主婦ですが、就業能力、コミュニケーション力など、総合的な力を兼ね備えているとして注目されています」(川上さん)
つまり、かつて働いた経験があることはもちろん、ご近所づきあいやPTA活動などで培われた交渉術は、ビジネスでも大いに役立つと、再評価されているのだ。
「特に、40代半ばから50代前半のR50主婦層は、争いごとを回避する人当たりのよさが接客業に、決められたことをきちんとこなす勤勉さや、責任感の強さが職場のまとめ役にと、求められる仕事が拡大。主婦が働きやすい時間を設定するなど、積極的に採用しようという企業も見られます」(川上さん)
※女性セブン2016年3月24日号