SMAPの稲垣吾郎(42)主演のミュージカル『恋と音楽FINAL~時間劇場の奇跡~』(パルコ劇場)が8日、千秋楽を迎えた。
SMAPといえば、今年早々に起きた“騒動”がまだ尾を引いており、毎週どこかの週刊誌や夕刊紙で報道されている。
それでも、草彅剛(41)は4回のスペシャルドラマから連続ドラマに昇格した『スペシャリスト』(テレビ朝日系)がスタートする日、予定どおり電波ジャックを行った。
「電波ジャックはないかも」と噂されていた香取慎吾(39)も『家族ノカタチ』(TBS系)の番宣に精を出していた。
が、稲垣のミュージカルだけは、通常なら行われるゲネプロ公開や囲みがなかった。
記者は不安を抱えながら初日の舞台を観に行ったが、幕が開いた途端、そんな気持ちは吹っ飛んだ。おなじみのテーマソングに合わせて軽やかにステップを踏み、エンジェルボイスともいうべき甘い声で歌う“吾郎チャン”は、いつも通り、いや、いつも以上に“吾郎チャンワールド全開”だったのだ。
パート1から共演している真飛聖(39)との息はますますピッタリで、パート2でも一緒だった“美魔女”北村岳子(39)の激しすぎるアプローチにも身体を引くことなく、全く動じない。
小倉久寛(61)、福本伸一(54)という、普段はなかなか並ぶことのない俳優とも馴染んでおり、もっとも若い、杉ありさ(27)のことはしっかりリードしていた。
稲垣はパルコ劇場との相性が抜群で、劇場関係者とも気心が知れている。そんなホームグラウンドとも言うべき場所ということで、リラックスもしていたのだろう。初日のカーテンコールで稲垣は、最前列の観客の靴紐が解けてしまっていることを指摘。
「ずっと気になってたんですよね……、それぐらい(ステージと客席が)近いっていうことです」と言ってニヤリと笑い、舞台の袖に消えていった。
騒動について何か触れるかと思いきや、全く触れずに普段通りのテンション。SMAPの中で中間管理職と言われ、マネジャー陣とメンバーの連絡役をすることもある稲垣は、もしかすると、メンバーの中でいちばんメンタルが強いのかもしれない。
実は東京公演の前に2日間だけ大阪公演があり、マスコミからもファンからも、無事に幕が開くのか、稲垣がどんな表情で舞台に立っているのか、注目が集まっていた。が、そこでも稲垣は涼しい顔で、公演をこなしたのだった。
その後、何度か公演を観てみたが、回を重ねるごとに進化する舞台を、「ちょっとオーバーになりすぎてるよね」「だんだんコントみたいになっていってる」と分析。
真飛聖が千秋楽が近づくにつれ涙ぐむ場面にも、稲垣はずっと笑顔だった。
この時期に、タイトルに「FINAL」と付いたことに対して、心配するファンも少なくなかったようだが、それは会場の関係であって、大きな意味はなかった模様。恐らく、千秋楽も稲垣は涼やかな顔で主役をつとめあげるのだろう。
ちなみに、記者が最後に観に行った日の稲垣の挨拶は「気をつけて帰ってくださいね。ぼくはヒロくん(同居人男性)とチーズフォンデュでも食べます」だった。
とにかく、吾郎チャンは元気だったのである。