最終回(4月2日)が迫ってきたNHK連続テレビ小説『あさが来た』。22週連続で週間平均視聴率20%超えを記録するなど大人気となっている。波瑠(24才)が演じるあさを中心に女の生きざまが描かれる『あさが来た』だが、女性の視聴者はいったいどのキャラクターに共感しているのだろうか。そこで、女性セブンは30代から70代の女性400人を対象にアンケート調査を実施。もっとも共感されているのはあさで54.0%、続いてはつ(宮崎あおい・30才)が22.0%、よの(風吹ジュン・63才)が9.0%という結果となった。
少数派の意見としてはこんな声も。うめ(友近・42才)に共感するのは、静岡県に住む44才のシングルマザー、A子さんだ。アンケート調査で、うめに対しては、「自分の幸せがいちばんでしょ」「人のために生きるのを否定しないけど…」「恋も結婚も諦めて、自分が生きてきた証はなんなんでしょう」などと、彼女の生き方には否定的な声が多かった。
そんななか、40代未婚女性に限った場合、共感ランキングは、あさに次いでうめが2位となっている。全体の約20%を占め、これは他の世代では見られない結果。
「あさに尽くしてるだけって思われるかもしれないけど、乳母という与えられた使命を一生の道として脇目も振らずに歩く、そのために必要な教養や知識、マナーもある、立派な人生です。逆にあさは、そういう周りの力があってこその成功でしょう。たまたま時代の流れに乗れて、恵まれた環境にあったから。シングルマザーで必死に働く私からしたら、優雅な暮らしにしか見えません」(A子さん)
ドラマで描かれる女性像に対する思いは、三者三様、十人十色。でもそこには、そこはかとなく、自分が歩んできた人生や、歩みたかった人生が映し出されている。
マーケティングライターで「草食系男子」などの流行語を世に広め、インフィニティの代表取締役を務める牛窪恵さんは、「ひとりひとりの人生を否定しないのが、『あさが来た』の魅力」と言う。
「みんな、なんだかんだいって自分の道を納得して受け止めているところが、全員に共通する共感できる点。あさはつい最近、“お姉ちゃんの道も、私の道も、ようやく1本、筋が通った気がする”というようなことを言っていたけど本当にその通りで、道が違っても、それがその人にとってのかけがえのない人生。
姉妹の母・梨江(寺島しのぶ・43才)も、あさが働く女性の道を歩むことに、最初は反対していました。母としては自分の道を否定されたように感じたはず。でも最後は自分とは違う生き方を受け入れているところが立派です。それぞれの“受け入れる”“認め合う”姿勢に私たちは救われているのではないでしょうか」
いよいよ、物語はクライマックスへ向けて駆け抜ける。梨江、菊はすでにその生涯を閉じてしまったが、果たして、激動の時代を生きた女性たちは、どのような人生の終い方をするのだろうか。
なりたかった理想、なれなかった現実、これでいいんだという境地に立ちながら、最後の最後まで彼女たちの生き様から目が離せない。
※女性セブン2016年3月24日号