平安から明治に至るまでの政治や経済など様々な分野で活躍した歴史上の偉人たち。彼らの年収を当時の税収や給与などから現在の価値に換算し、高い順にランキングを作成した。
作成にあたり、『日本人の給与明細 古典で読み解く物価事情』(角川ソフィア文庫)の著者である山口博・富山大学名誉教授、そして歴史研究家で文教大学付属高等学校教諭の河合敦氏の協力を仰いだ。
堂々の1位は織田信長だ。1568年に足利義昭を擁して上洛した時点での直轄領は尾張と美濃のみで、石高は約110万石だった。しかし室町幕府を滅ぼした後は破竹の勢いで領地を広げ、直轄領の石高を約700万石にまで拡大したことが1位となった要因だ。
今回、ランキングをつけた年収のうち、信長ら大名のものは石高に特別な計算を行なって算出した。
「大名は総石高のうち半分を農民に与え、もう半分を税として徴収したとして計算(五公五民)。そのうち3分の2を臣下に与えるので、大名の年収は総石高の6分の1となる。信長でいえば、年収は117万石になります」(山口氏)
ランキングに戻る。2位は徳川家康。1600年、東軍の総大将として関ヶ原の戦いで勝利し、江戸幕府を開いた。
「当時の全国総石高は1851万石ですが、その中には大名の所領や家臣へ与える知行地(※注)も含まれます。徳川幕府の財政基盤は400万石の直轄領(天領)でした。そのため家康自身の年収は67万石となります」(山口氏)
【※注/下級武士が手柄をたてると褒美として与えられた領地】