すっかり有名になった「ふるさと納税」は、居住地以外の自治体に2000円以上の寄付をすると、「2000円を超える部分」の寄付金額が所得税や住民税から控除されるというもの。
たとえば1万円を寄付すると税金が8000円安くなるうえ、自治体から特産品などを「返礼品」としてもらえるうれしい制度だ。
2008年に始まったふるさと納税の寄付金は2014年に140億円を超え、当初は約3万人の寄付者は2014年に13万人まで急増した。爆発的な人気の秘密はユニークな「返礼品」だ。
たとえば鳥取県鳥取市は1万円以上の寄付で、「鳥取砂丘パラグライダー半日体験」を提供し、岩手県二戸市は10万円以上の寄付で、「りんごの木のオーナー権」を提供する。もちろん、高級ステーキやマグロ、ふぐや和牛など定番のグルメ系も豊富にある。
うれしいことに2015年度の税制改正でふるさと納税による寄付の上限が個人住民税の1割から2割にアップした。ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんはこう説明する。
「しかも会社員の場合は、寄付する先が5団体までなら確定申告も不要になり、さらに手軽になりました。また年収が低めな人は、所得税よりも住民税を多く払っている可能性があるので、減税効果は高まるかも」
確定申告など年度末のお金の調整が一段落した新年度こそ、新しいお金の使い道としてぜひお試しを。
一方で、知名度はふるさと納税に劣るが、おトク度は負けていないのが「ふるさと割」だ。国が取り組む地方創生事業の1つで、特産品やトラベル商品を割引価格で購入できる。
品物は各自治体のアンテナショップなどで直接購入するか、大手ショッピングサイトや旅行会社のサイトで旅行クーポンを獲得して利用する。
提供される品々はブランド米やブランド和牛、海鮮特産品などよりどりみどり。数多くの宿泊プランもある。都内に住む主婦(48才)は昨年、ふるさと割で旅行を楽しんだという。
「和歌山のリッチな露天風呂つき部屋の宿泊旅行を利用しました。割引額は1万5000円です。とってもお得でしたよ。クーポンは即日配布終了することもあるので、行きたい場所を見つけたら発行日にダウンロードしましょう」
ふるさと割は2015年度予算で割り当てられていたため、3月末でいったん終了するが、「大好評だったので4月以降も続くかも」(畠中さん)とのこと。GWや夏休みを見据えて目が離せない。
※女性セブン2016年3月31・4月7日号