2015年11月に、『イ・ビョンホン ジャパン オフィシャル ファンクラブ』が10周年を迎えたイ・ビョンホン(45才)。この10年で活躍の場を韓国や日本からハリウッドへと広げ、その名を世界に知らしめた。その功績から、米ロサンゼルスで開かれた『第88回アカデミー賞授賞式』(2月29日/米国現地2月28日)では、韓国人俳優として初のプレゼンターに選ばれ、見事大役を務め上げた。
「とても緊張したんです。演技でカメラの前に立つ時はほとんど緊張しないのですが、イ・ビョンホンとして何かのステージに立たなければいけない時は、少しおかしいんじゃないのと思われるくらいに、とても緊張してしまうタイプなんです。ましてアカデミー賞はすべての俳優が夢に見る場所ですよね。すぐ前でお待ちの米副大統領がぼくに、映画人のかたが集まるところに自分のような政治家が来るのは場違いじゃないかなと話されて、このかたも緊張されてるようだと思った途端、さらに緊張し始めたんです。その様子が映像として映ったようで、友達から『すごく緊張したみたいだね』というメッセージをたくさんもらいました(笑い)」
そんな楽しいお土産話とともにアカデミー賞から直接、2年ぶりとなる日本でのファンイベントに駆け付けた(『LBH ON TOUR 2016~10th Anniversary Journey~』)。ロックバージョンのウェルカムソング『いつか』や、日本のファンがビョンホンと出会うきっかけとなった韓国ドラマ『美しき日々』『オールイン』『IRIS』の裏話やエピソード、最新映画『インサイダーズ/内部者たち』などを紹介した。ファンへの気持ちを綴った手紙のシーンでは、自身の過去の過ちについて自らの言葉で詫び、会場の涙を誘う場面も見られた。日本のファンと心から信頼し合えているという素敵な自信の賜物だ。
「恐らくずっと見守る立場にいてくださる皆さんの義理なのだと思います。それは本当に特別なもので、ファンだけが持っている素晴らしい特性だと思います」
そして、最新映画『インサイダーズ/内部者たち』(※R15作品/TOHOシネマズ新宿他、全国ロードショー中)についてこう語ってくれた。ビョンホンは、暴力でのし上がった政治ゴロツキ、アン・サングを演じる。
「この映画は社会の不正を告発するという深刻な内容を扱っていて、程度の差はありますが、登場人物が皆さん悪い人たちばかりなんです(笑い)。だからサングのキャラクターを利用して少しコミカルな部分を入れて、観客の皆さんにホッとしてもらおうと思い、共演のチョ・スンウさん(検事役)とたくさんアドリブを取り入れました。普通俳優が笑ってNGを出すと現場がシーンと静まり返って寒い雰囲気になってしまうこともあるのですが、それでもこの作品に関しては、笑いすぎてNGをたくさん出しました」
撮影■樂満直城
※女性セブン2016年3月31日・4月7日号