ビジネス

「大人のアイス」流行 リピーターが増え続けている背景は

大人向けに味わいに仕立てた「大人のアイス」が人気

 今、「大人のアイス」がブームだ。「大人の」を冠につけ、ちょっとした贅沢感を加えた商品が各アイスメーカーから続々と発売されている。例えば、宇治抹茶を贅沢に使い大人向けの味わいに仕立てるなど、大人嗜好のテイストやリッチ感、または「限定品」に引きつけられる購入者は多く、市場を賑わせている。

 流行の背景について、アイスクリーム情報誌『アイスクリームプレス』の二村英彰社長はこう語る。

「2、3年前から大人ブームの流れがあり、秋冬のアイスの消費もここ5年ほどずっと右肩上がりです。その要因は、大人がアイスクリームを食べるようになったということですね。75才以上のいわゆる戦中生まれの世代と違い、団塊世代は子供のときからアイスクリームがあって、食べることに抵抗なく育ってきています。そういう人たちが高齢となって60、65才を過ぎても、抵抗なくリピートして食べているということもあるでしょう」(二村さん)

 日本アイスクリーム協会が10~60代の男女600人に行った調査によると、お菓子や飲み物を含めた「好きなデザート」で、アイスクリームはダントツの人気。1997年の調査以来、不動の1位をキープしている。

 もともとは暑い夏に冷たさを楽しむデザートだったが、近年、寒い季節に暖かい部屋で食べる「冬アイス」が人気だ。昨年12月には人気番組『マツコの知らない世界』(TBS系)でも「冬のコンビニアイス」が取り上げられるなど、注目を集めている。

 アイス大手の江崎グリコは、2014年秋冬から主力の『ジャイアントコーン』『パピコ』『アイスの実』で「大人シリーズ」をスタート。アイスクリーム市場で、通常価格帯(100円代)よりも少し高い中間価格帯(主に150円以上)の商品が売れていることに加え、少子化による大人の人口増加にともない、大人好みの商品の展開を始めた。

「大人アイス」は中身がランクアップする分、値段も若干割高になる。例えば『ジャイアントコーン』は通常130円を160円で販売しているが、「大人シリーズ」は毎年大好評。今年1月に発売した『大人の苺』シリーズは、早々に在庫切れの状況になったという。

「限定品の販売は3か月ほどをめどにしますが、『大人の苺』シリーズは大変好評いただき、非常に早い段階で予定数が無くなりました。アイスクリームの年間の売上は、夏が大きく、冬はあまり高くありませんが、2014年の冬から大人向けの高付加価値アイスを販売したことで、売上が上がりました。そういった需要があり、大人シリーズは好調に伸びています」(江崎グリコ・グループ広報部)

 大人向けライン『GRAN』シリーズを展開する明治は、開発経緯についてこう語る。

関連記事

トピックス

モテ男だった火野正平さん(時事通信フォト)
【火野正平さん逝去】4年前「不倫の作法」を尋ねた記者に「それ俺に聞くの!?」 その場にいた娘たちは爆笑した
週刊ポスト
「●」について語った渡邊渚アナ
【大好評エッセイ連載第2回】元フジテレビ渡邊渚アナが明かす「恋も宇宙も一緒だな~と思ったりした出来事」
NEWSポストセブン
三笠宮妃百合子さま(時事通信フォト)
百合子さま逝去で“三笠宮家当主”をめぐる議論再燃か 喪主を務める彬子さまと母・信子さまと間には深い溝
女性セブン
氷川きよしが紅白に出場するのは24回目(産経新聞社)
「胸中の先生と常に一緒なのです」氷川きよしが初めて告白した“幼少期のいじめ体験”と“池田大作氏一周忌への思い”
女性セブン
多くのドラマや映画で活躍する俳優の菅田将暉
菅田将暉の七光りやコネではない!「けんと」「新樹」弟2人が快進撃を見せる必然
NEWSポストセブン
阪神西宮駅前の演説もすさまじい人だかりだった(11月4日)
「立花さんのYouTubeでテレビのウソがわかった」「メディアは一切信用しない」兵庫県知事選、斎藤元彦氏の応援団に“1か月密着取材” 見えてきた勝利の背景
週刊ポスト
田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
「SUNTORYドリンクスマイルBAR」
《忘年会シーズンにこそ適正飲酒を》サントリーの新たな取り組み 自分に合った “飲み“の楽しさの発見につながる「ドリンク スマイル」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
NEWSポストセブン