テレビで活躍していたテレビコメンテーターの経歴詐称が発覚した。あなたならこの事件にどうコメントするか。大人力コラムニストの石原壮一郎氏がお勧めコメントを考える。
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またまた文春砲が炸裂いたしました。3月16日発売の「週刊文春」が、「報道ステーション」や「とくダネ!」にコメンテーターとして出演していたショーン・マクアードル川上氏の経歴詐称疑惑をスクープ。記事では、本人もその事実を一部認めています。
人気急上昇中のイケメン経営コンサルタントの運命は、一瞬にして暗転。すべての活動を自粛し、出演中の番組を降板。4月からはフジテレビの深夜で大型報道情報番組のメインキャスターを務めることになっていましたが、その話もチャラになりました。
こう言うと失礼かもしれませんが、多くの視聴者にとって“ショーンK”氏は、「顔は見たことあるけど、そういう名前だってことは今回の騒動で初めて認識した」という程度の微妙な存在です。それなのになのか、だからこそなのか、しばらくは「ちょうどいい世間話のネタ」として、いろんな場面で話題にされるに違いありません。
大人として、今回の経歴疑惑騒動をどう語ればいいのか。人は、とくに大人は、何かを語るときには、必ず「見られたい自分像」をイメージしています。コメンテーターとして活躍していた彼にちなんで、目的に応じたコメントを考えてみましょう。
その1【メディアと冷静なスタンスで接している知的な人に見られたい】
「キャスターやコメンテーターなんて、もっともらしいことを言うのが仕事なんだから、適当な経歴でもっともらしさを演出するのは、べつにいいんじゃないの」
根底に「テレビなんてそんなもの」というシニカルな視点を漂わせつつ、どうでもいいスキャンダルに振り回されないという大人の落ち着きを醸し出せます。まあ、真面目が取り柄というタイプの人からは「ウソを擁護するのか!」と怒られそうですけど。
その2【世の中を幅広い視点で見ている懐が深そうな人に見られたい】
「イケメンで成功していることへのヤッカミが根底にあったから、そういう人が一気に転落していく様子が、テレビ的にも視聴者的にもウケるんだろうね」
騒動全体をちょっと離れた場所から眺めて、鋭い指摘をしているように聞こえるでしょう。ただ、よく聞くとたいしたことは言っていないので、図らずも底の浅さが露呈するリスクも。「オレも気をつけなきゃ」と付け加えると、オチャメな一面を強調できます。
その3【そのへんの一般大衆とは違うけど気さくなオレに見られたい】
「基本的にテレビ見ないからあの人のことは知らなかったけど、ジョン・カビラさんとは別人なんだよね。えっと、楽天カードマンは、川平慈英さんだっけ」
ここで言いたいのは「基本的にテレビ見ないから」というフレーズで、あとは付け足しに過ぎません。ただ、「特別なオレ」を演出したいという本人の思いとは裏腹に、たいていの場合は、そんなことが自慢になると思っている勘違いっぷりを鼻で笑われるだけです。