いよいよクライマックスを迎えるNHK連続テレビ小説『あさが来た』。昨年5月から、大阪で連日連夜続いた収録も、3月5日、オールアップとなった。カットの声が響いた時、波瑠(24才)の涙腺は決壊し、ぽろぽろと大粒の涙が頬を伝った。その横で、玉木宏(36才)が、新次郎のあの笑顔をたたえていた――。
クランクアップ直前の2月27日に発表された平均視聴率は23.4%。これは21世紀の朝ドラ平均最高を記録していた『さくら』(2002年)の23.3%を塗り替える期待も出てきたラストスパートとなった。これもひとえに波瑠をはじめとするキャストやスタッフが全身全霊の日々だった証だろう。
「オールアップのとき波瑠さんは、“最初から最後まで大阪弁で悩まされるとは思ってなかった”と振り返っていましたが、実際、最後まで方言の先生がつきっきりだったんですよ。今回波瑠さんは、『てっぱん』『純と愛』『あまちゃん』の朝ドラオーディションに落ち続けて、ようやくつかんだヒロインの座でしたが、まわりは大ベテランばかり。クランクイン直後は、方言はもちろん演技にも圧倒されてかなりのプレッシャーだったと思います」(番組関係者)
波瑠を取り囲んでいた大ベテラン──姉・はつの宮崎あおい(30才)、母・梨江の寺島しのぶ(43才)、姑・よのの風吹ジュン(63才)、はつの姑の萬田久子(57才)…と、錚々たる顔ぶれ。
「バチバチ火花散る現場でした。といっても、不仲ではなく、女優魂が激しくぶつかり合う現場という感じでした。気後れする波瑠さんを、萬田さんが音頭をとって、オフの日は大阪の粉モンや鉄板焼きを食べに行ったりするなかで本当の家族になっていったという感じでしたね」(前出・番組関係者)
クランクアップ会見で波瑠は、「“やせたね”とよく言われる」と明かしていた。
「撮影が始まってしばらく、波瑠さんは食が細くなって体調を崩していました。共演者はみんな彼女を心配していまして、風吹さんは何度か炊き出しをしていました。シンガポールで買ってきた香辛料を使って、バクテー(シンガポールの鍋料理)を振る舞って、みんな大喜び。そうしたなかで団結力が強くなっていったようですね」(芸能関係者)
※女性セブン2016年3月31日・4月7日号