ハンバーガーブーム到来! 今春、海外の有名ハンバーガー店の日本進出をきっかけに、国内のチェーン店なども新作バーガーがそろい踏みをする。食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏がリポートする。
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2015年には、マクドナルドの閉店ラッシュの間隙を縫うように、シェイク・シャック、カールス・ジュニアといった新たなチェーンの上陸が話題となった。昨年末の本稿で「2016年のハンバーガーブームの真の本命は、国内勢だ」と書いたが、いよいよ国内ハンバーガー勢のブレイクが本格化し始めた。
3月15日発売の『おとなの週末』4月号では「最強のハンバーガー」特集が組まれ、19日発売の『東京カレンダー』4月号も「大人ハンバーガー」特集と各メディアもこぞってハンバーガー、それも「グルメバーガー」と言われる、本格志向の高級バーガーの特集を組むようになった。
「このところのハンバーガーの盛り上がりはちょっと異様ですね。うちでも書き手からも続々ハンバーガーネタが上がってきて、年明けから数えると週1回ペースでハンバーガーの情報が掲載されています」(ぐるなびが運営するWebマガジン「dressing」の松尾大編集長)
海外の新チェーンオープンから国内個人店の盛り上がりを受けて、各所にバーガー熱が飛び火している。
フレッシュネスバーガーと介護サービスのユニマットリタイアメント・コミュニティは「”シニアが食べたい”ハンバーガー」の共同開発に乗り出した。
国内大手のモスバーガーは定番の「テリヤキバーガー」のマヨネーズをクリームチーズに変更した「クリームチーズテリヤキバーガー」を22日から期間限定発売。同日から春夏の定番、バンズの代わりにレタスで具材をはさんだ「モスの菜摘」も発売をスタートした。糖質制限ブームの追い風もあり、9月中旬までの発売期間、例年以上の人気が予想される。
グランドハイアット東京のステーキハウス「オークドア」でも4月から6月にかけて、ランチ限定の月替わりハンバーガーを発売する。5月には、通常のオークドアバーガーの5個分という巨大な「ジャイアントオークドアバーガー」が、昨年に続き発売される。お値段も8800円となかなかだが、バンズ直径22cm、ビーフパティを1kg使用していることを考えると、むしろこの価格はお値打ちと言ってもいい。
味わいも業態も多様化するハンバーガー(とその周辺)。長く低迷を続けたマクドナルドも、売上は回復傾向で、2月には客数も33か月ぶりに前年実績を上回った。そして今月、店舗アルバイトスタッフ「マクドナルドクルー」を募集する「クルーになろう。キャンペーン」をスタートさせた。某週刊誌の一行コピー風に言うならば、「次なる一幕(まく)、どうなる。どう?」というところか。