この春、家計をめぐる話題でいちばんホットなのは4月から「電力自由化」が始まることだ。これまで各地域の電力会社が独占していた家庭向け電力供給が自由化し、各家庭が電力会社を自由に選べるようになる。
“チャンスを逃すな!”とばかり、ガスや携帯電話などさまざまな異業種が電力業界に参入し、選べるプランは24社140プラン以上に膨らんでいる。
注目は、乗り換え先の会社が提供するさまざまなサービスの料金が安くなる「セット割」だ。ファイナンシャルプランナーの横山光昭さんはこう語る。
「東京ガスはガス、ネット、電気の『トリプルセット割』で、電気代が5~10%安くなりそうです。また、昭和シェル石油はガソリン1リットルあたり10円安くなるセット割があり、乗用車や軽油を多く使う人にオススメです」
意外な組み合せはH.I.S.が提供する電気と旅行のセット割。1人あたり海外5万円以上、国内3万円以上のパッケージツアーと電力を同時に申し込むと、旅行が海外2000円、国内1000円の割引となる(3月31日まで)。
料金ではなく「ポイントの付与」を優先する手もある。
「東京電力の各種プランは1000円につきTポイントかPontaポイントが5ポイント付与されます。また、ローソンの電力販売を利用するとPontaポイントや店頭で使える割引クーポンをゲットできます」(横山さん)
そもそも電気料金は基本料金(最低料金)と、使用電力量に応じた使用料で決まる。ライフスタイルや求めるサービスによって適した電力会社とプランは異なるので、まずは自宅の使用電力量をしっかりと把握したい。
特に、子供が大学生になって、夫とふたり暮らしになる、孫が生まれて家にいる時間が増えるなど、ライフスタイルが変わる人は料金プランの見直しの絶好の機会。東京電力など各社のホームページでプランの試算ができるので試してみると、トクするプランを見つけられるかもしれない。
もちろんいい話には気をつけたい点もある。
「現状を見ると、あまりに多くの業者が参入しています。こういう新規キャンペーンは“後出しジャンケン”で、後になるほどお得なキャンペーンが出てくるものですし、事業が順調にいかず撤退する企業が出てくる可能性もあるので、最初は様子見するのもひとつの手。私は2年契約すると1万円の商品券や1万2000円分のポイントカードが付与される東電の『プレミアムプラン』に入っておいて、2年後に電力供給先の勝ち組・負け組を見極めてから、さらにおトクに乗り換えるつもりです」(ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さん)
※女性セブン2016年3月31・4月7日号