銀座高級クラブのママと電撃婚した吉田鋼太郎(57才)、元銀座ホステスと再婚報道が出た渡部篤郎(47才)など、有名人とホステスの再婚が話題だ。
ホステスといえば、細やかな気遣いや教養が不可欠なことは、ドラマ『黒革の手帖』や『女帝』(ともにテレビ朝日系)で女性の成功が描かれることで一般にも浸透した。そして女性も自立すべきという社会的風潮が高まる中、若い女性の間でホステスは“デキる女”として憧れの対象になっている。
著書に『キャバ嬢の社会学』(星海社新書)がある著述家の北条かやさんは話す。
「2008年に当時15~22才の女性を対象とした『なりたい職業』アンケートで『キャバクラ嬢』が9位に入って大きなニュースになりましたが、そこからホステスになった子がいるのも事実です。
男性の収入が上がらない時代に女性も自立しないと、という風潮が高まっている中で、成功を望む女性は強く見えて、憧れの対象になったのでしょうね。男性に依存したくて『専業主婦になりたいわ』と言っている女性よりも魅力的に映る瞬間がある」
銀座『グレ』のさゆりママも、女性たちのそんな空気を肌で感じている。
「私がオーナーママになってから東大も含め六大学の子は全てうちの店で働きましたし、昔あった“家が貧乏だから水商売”というイメージは全くなくなりました。
ホステスになりたい女性は実感として、平成生まれが多いですね。都会で生きていくにはお金がいるし、留学の夢を叶えるための貯金をしようと銀座で働く子も増えました。時給が安いバイトよりも、短時間で高収入を得られる仕事を選ぶ女性が増えている気がします。そんな彼女たちとの夜のひとときを原動力に、仕事に励む男性もいらっしゃいますよ」
ただ最近の若い子たちは、「早くママになりたい」なんて野望を持って頑張る子が、昔より圧倒的に少なくなったという。『楪』の加那ママが語る。
「私がこの世界に入った頃は周りもナンバーワンになりたい子ばかりで、しのぎを削ったけれど、今の子たちは『別にナンバーワンもめざしてないです。それなりに来て、お金がもらえればいいんです』って。
実は私にも、ママに誘われていた時期に結婚の話があったんです。一度は引退も考えましたが、毎日が刺激的で、思うままに人生の舵を自分できることができる楽しさをかみしめていたら、結婚が破談になってしまった過去がある。
だから若い子には『結婚したい』と思う男性がいたらすぐ決断しなさいねと、よくいうんです。 彼女たちは“女の幸せ”も求めているし、柔軟性もあるから、私がいうまでもないかもしれませんが(笑い)」
※女性セブン2016年3月31・4月7日号