「私は絶対にアナウンサーとして復帰したかった。夢を諦めなければならない世の中は嫌なんです」
こう語るのは松本圭世アナウンサー(26)。テレビ愛知の契約アナだった2014年に「AV出演疑惑」が報じられた後に職を失い、現在はフリーアナとして東京MXテレビなどで活躍中だ。
松本アナは名古屋大学在学中の2010年、繁華街で「困っています。助けて下さい」と声をかけられた。人助けと思って促されるままにバンに乗ると数人の男性に囲まれ、男性器を模した飴を舐めるよう促された。
「撮影が進んでいくうちに自分が何を求められているかわかりました。さすがにホンモノなら『それはない』というけど、その場は期待に応えようと飴を舐めた。でも本当にちょっとだけで、“今の取れ高(撮影時間)で足りるのかな?”と思ったほどです(苦笑)」(以下「」内松本アナ)
ところがこの映像が許可なく販売され、テレビ愛知との契約期間中に発覚して大騒動になってしまう。彼女は担当する3番組を降板することになり、2014年9月に契約満了で退社となった。
実は本誌も当時、〈前代未聞 美女アナのAV出演疑惑〉と大きく報じ、それが退社へのダメ押しになったとも騒がれた。「週刊ポストは読みましたか?」と恐る恐る尋ねると……、
「見ましたよ! 家にあります! 読んでみて、“私は美女アナなんだ”と思った(笑い)。当時は世界中が自分の敵だと思ったけど、今となっては懐かしいだけです。もう誰かを恨むことはありません」
さらに話を聞くと、なんと失意の松本アナを勇気づけたのもまた本誌記事だったというから不思議な縁だ。その記事とは、本誌(2014年7月11日号)の連載コラム「ビートたけしの21世紀毒談」での、たけし氏のこんな発言だったという。
〈別に世間から叩かれるいわれはないと思うんだけどな。「職業差別だ!」ってプロのAV嬢が怒り出すんじゃないの。このオネエチャンも仕事がなくなったら、オイラの番組に来ればいい〉
松本アナが当時を思い返して目を細める。
「あのコラムが本当に嬉しかったんです。当時、私は勇気がなくて何の行動も起こせなかったけど、ただ嬉しかった。たけしさんにお会いしたいって絶対に書いてくださいね!」
確かに書きました。本誌は松本アナの今後の活躍を応援します!
※週刊ポスト2016年4月8日号