株式投資で利益を出すには、株価上昇に伴う値上がり益「キャピタルゲイン」を狙う方法と、株を保有している間、株主配当を安定的に受け取る「インカムゲイン」を狙う方法がある。特に後者は、年初からの株価下落の“恩恵”で、高い配当利回りを生み出す銘柄が続出しており、投資妙味も高まっている。そうした利回りの高い「お宝株」トップ3を、グローバルリンクアドバイザーズ代表・戸松信博氏が厳選した。
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注目したいのは原油安や株安によって出現中の「高配当銘柄」だ。株価に対する配当金の割合を示す配当利回りは、株価が下がるほど高くなる。株価が急落している米エネルギー企業をはじめ中国株でも8~10%という高配当銘柄が続出。日本株でも原油安の影響で株価が下がっている商社株を筆頭に、絶対に潰れなさそうな企業の配当利回りが5%を超えるような水準まで高まっているのだ。
今から紹介する銘柄は、いずれも事業内容が決して見劣りするわけではなく、今後の株価上昇も望める。そうなると今度はインカムゲインに加え、キャピタルゲインも期待できる「お宝株」となる。そんな長く持てば持つほど得をする「金の卵」トップ3を紹介したい。
1位は、6%を超える高配当が魅力のインヴァスト証券(ジャスダック・8709)だ。FX(外国為替証拠金取引)事業が柱で、取引所為替証拠金取引「くりっく365」では最大手。FX会社は為替の値動きが激しくても収益が安定的なうえ、同社では世界初となるETF(上場投資信託)特化型証拠金取引など新領域にも積極的に挑戦。市況に左右されやすい証券会社に比べて、株価が堅調に推移しているのも好材料といえる。
2位のアールビバン(ジャスダック・7523)も6%を超える高配当となっている。版画作品を展示販売するほか、ホテルやフィットネスも手がけ、財務内容も健全。業績は概ね横ばいだが、株価も緩やかな上昇が続き、安定的な銘柄といえる。
3位のあおぞら銀行(東証1部・8304)も配当利回りは6%近い。業績はほぼ横ばいだが、3か月に1回の四半期配当を実施している点も魅力。日銀のマイナス金利導入で銀行の収益悪化懸念が高まっているが、今後株価が下落して6%以上の配当利回りになれば、長期的な「お宝株」となる可能性もある。
※マネーポスト2016年春号