高須クリニック院長の高須克弥さん(71才)との日常を描いた、西原理恵子さんの漫画『ダーリンは70歳』(『ビックコミックスペリオール』連載中)が話題となっている。今年1月に発売された単行本は、売り切れ店が続出、すぐさま増刷となった。
現在パートナーとして、幸せな時間をすごしているふたりだが、それぞれ婚歴がある。高須さんは2010年に妻(享年65)と死別。西原さんは、1996年に戦場カメラマン(享年42)と結婚し、1男1女をもうけるが、夫はアルコール依存症になり、後に家庭内暴力が激しくなり、離婚を決意した。
2011年に小泉今日子と永瀬正敏で映画化もされたエッセイ漫画『毎日かあさん』では、女手ひとつで子供を守り、生きるために必死で漫画を描き続けた様子が描かれている。
しかし、修羅場の末に別れた夫が末期がんを患い、西原さんに復縁を求めてきた。この時、相談を受けていたのが、高須さんだった。この時の様子を西原さんと高須さんに聞いた。
西原:子供が小さくて、仕事もたくさんあるのに、アル中の大男が6年間も家で暴れていたので、本当に怖かった。いつも気が休まらなかったですね。
いまだに時々思い出して、「なんであの時、刺し殺さなかったんだろう」って、悔しくなることがある。そんな思いで別れた夫なのに、かっちゃん(高須さんのこと)は「あなたと子供のために、彼を迎え入れてあげなさい」って言ったんです。
彼は医者だから、“すべての患者さまに希望しか与えちゃいけない”っていうのが持論。「今、彼(元夫)が野良犬みたいに駅前で転がってひとりで死ぬのと、“愛しているからアル中を治して帰ってきていいよ”って言われて、頑張って闘病して死ぬのとでは、まったく違うよ」って。
高須:後者のほうが、彼女もお子さんも、家族全員が救われる道だと思ったんですよ。
西原:おかげでこの前、娘に「あたし、お父さん似でよかった。お父さんのほうが、お母さんよりぜ~んぜん、才能あるし!」って言われちゃいましたよ。ああ、悔し~い(笑い)。
高須:そんなふうに、“いいお父さんの思い出”が子供たちに記憶として残っているのなら、ハッピーだよね。