4月2日にいよいよ最終回を迎えるNHKの連続テレビ小説『あさが来た』。高視聴率の続いた要因として、「登場人物すべてに愛情がある脚本」だという声は多い。そんな脚本を手がけた大森美香さんへ、魅力的なキャラクターである「お父さん3人」と千代からびっくりぽんな質問が飛んだ。
今井忠興役の升毅(60才)からは、こんな茶目っ気あふれる質問。
「『こらっ、あさ!』のフレーズが気に入って、アドリブで何度も芝居に入れていました。感想をお願いします」
大森さんは笑いながらこう答えた。
「確かに少し多いなと思いました(笑い)。でもそこから、あさに対する愛情の深さが伝わってきて、私の中でも影響されたところがあったので、大変勉強になりました」
続いて、白岡正吉役の近藤正臣。
「正吉が死ぬ場面は、頭の中に情景が駆け巡るかのようで、気持ちよく死ねました。ありがとうございました。その場面は大森さん、いかがでしたか?」
「今まで見てきたドラマの中で、いちばん泣いてしまいました。人間の生きざま、夫婦のあるべき姿を見ているようで、自分が書いたことを忘れたほどです。膝枕や正吉さんの髪を櫛ですくよのさんの仕草はすべてアドリブです。雰囲気や夫婦のつながりがとてもよかったです」(大森さん)
眉山栄達役・辰巳琢郎(57才)は、ドラマを振り返ってこんな投げかける。
「栄達が今井家と白岡家に、許婚の交換を頼みに行くシーンがありました。後々、栄達の妻・菊の思いつきだったことが語られます。これは、当初から決まっていた設定だったのでしょうか? もし、当時知っていれば、お芝居が少し変わっていたかもしれません」
「当初から、菊さんが栄達さんに息子の嫁を交換しようと提案した設定でした。演出家を通して、きちんとお伝えするべきだったのかもしれません。ただ、栄達さんと菊さんの意見が合致した上で、山王寺屋の代表として交渉に出向いていく場面でしたので、拝見した上では、まったく違和感はありませんでした。栄達さんと正吉さんの掛け合いを楽しませていただきました」(大森さん)
最後に、あさとのバトルを演じ退けた、白岡千代役・小芝風花(18才)。
「伏線を回収されるのが毎回素晴らしいなと思っているのですが、それはあらかじめ考えているのですか?」
「伏線という“種”はできる限りまいています。いくらまいてもオンエアでカットされることは、往々にしてあるんですけどね(笑い)」(大森さん)
※女性セブン2016年4月14日号