波瀾万丈な人生を駆け抜けてきた漫画家・西原理恵子さん(51才)と高須クリニック院長・高須克弥さん(71才)。西原さんが交際中の高須さんとの日常について描いたエッセイ漫画『ダーリンは70歳』は、発売1か月で早くも3刷りに突入するヒット作に。そんな西原さんが、自らの人生を振り返りながら、賢く生きるヒントを教えてくれた。
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私が育ったのは、高知の小さな漁師町で、男は漁に出ている以外は酒や博打でひどかった。だから高知の女は強くてね、私の母親も2回失敗しているから、“いつでも別れられるのと、今は別れられないとでは大違いじゃ”と、口ぐせのように言っていました。それは、自分のために内緒のお金を貯めておけってことなんですよね。
父親が自殺したのは私の美大受験の前日。母をボコボコに殴って、私の貯金を全部持って競艇へ一発当てに行った。“この男、終わってるな”って子供ながらに思いましたね。
こうして母子家庭になって大変だったけど、母子家庭が悪いんじゃなくて、貧困が悪いってわかる。例えば女性には、無職で子供を産んでしまうことが、どれだけ危険かも知ってほしい。
男性の暴力も絶対受け入れちゃダメ。そういう当たり前のことを、どうか子供にしっかり教えてあげて。
“夫はATM”って、はっきり言うママ友たちを何人も見てきたけど、そんなこと言ってると、“パパ、早く死んじゃえ”って、いつか子供まで言うようになっちゃうよ。
田舎にいた時は、白馬の王子様ってツチノコみたいな存在だった。私の周りはヤンキーの男ばっかりで。いろんな男とつきあって、若い頃は“この人、どうしてこんなひどいことを言うんだろう”って、心ない言葉を死ぬほど言われたの。
でも、仕事をして自立できたら、自分の人生を必ず切り開けるってわかった。かっちゃん(高須さん)だって、最初から優しかったわけじゃなくて、今までの歴代の女性たちがここまで育てあげてくれたって思ってる。“これぞ、ヴィンテージカー”というか、出来上がった男性のありがたさですよね。
男子は、そもそもみんな三等賞。一等にするか、六等にするかは、女次第ですから。
※女性セブン2016年4月14日号