日本でも有数の好感度の高い京都。しかし今、そんな京都の嫌なところを暴露した本『京都ぎらい』(井上章一著・朝日新書)がバカ売れしているという。地元民だからこそわかる、その県民性の善し悪しがある。今回は、北陸新幹線開通で観光王国となった石川県と、長寿で注目の長野県の意外な苦痛、そして死亡率No.1の青森県のぼやきを紹介しよう。
北陸新幹線で一躍観光大国に躍り出た石川県は、寿司の外食費が全国1位(1万9649円/2012年)。
「寿司にはやたらうるさい。回転寿司でも回っている寿司には目もくれず、板前に直接注文します。“寿司とはそう食べるもの”と教えられた、ボンボン気質ゆえ。だから魚嫌いだと本当に住みづらいんです、私のように…」(50才・主婦)
また男女とも、日本一長寿の県として知られる長野県(男性平均寿命80.88才、女性平均寿命87.18才/2010年)。規則正しい生活を送る、まじめな県民性がその記録を作り上げたといわれているが…。
「正直この町で生活するのはつらいですよ。足腰が痛いのに元気なふりをしなければいけないし、どちらかというとジャンクフードや甘いお菓子、ご飯も濃い味が好きなのに、薄味の健康食を毎日食べなければというプレッシャーがあって…。のんびりしたくても地域のサークルにも通わないといけないし、こんな老後を送りたいわけじゃなかった」(61才・女性)
長野とは反対に、平均寿命が男女とも全国ワーストの青森県では、自虐的なぼやきが聞かれた。
「喫煙率の高さは全国1位。がんの死亡率も全国最高。これだけ不健康な県認定を受けているのに、行政も県民も誰も深刻に受け止めてないんですよ。むしろ旅行会社が『短命県体験ツアー』を企画したほど。
しかもキャッチコピーは『青森県がお前を殺す』。さすがにこれはないんじゃないかと唖然としましたが、観光客が殺到したとかニュースになったりして、地元でも喜んでる人が多く、何も言えず…」(45才・男性・漁業)
納得したり、笑ったり、誰かに話したくなったことだろう。でも県民性博士として知られる矢野新一さんは「気をつけて」と言う。
「地元の嫌いなところを指摘して許されるのは地元民のみ。他県の人に面と向かって言われるとむっとします。これも一種の愛郷精神なんですよね。くれぐれも不用意に言わないよう注意してください」
※女性セブン2016年4月14日号