かつて体温計といえば水銀式で、約5分間わきの下に挟んで測定した。時代は巡り、体に一切触れることなく検温できる体温計が話題になっている。
なかでも1月に発売されたばかりの「カスタム」の「パピッとサーモPRO」(1万9980円)は、おでこにセンサーを向けてボタンを押すだけで、最短1秒で測定を行い、体温がおでこに投射されるという。
「おでこには太い血管が集中していて体温を測るのに適しています。皮膚表面から出る放射熱(赤外線)をセンサーでとらえて体温を測定しています」(「カスタム」広報・太田比呂志さん、以下「」内同)
「カスタム」は電子計測器のメーカー。離れた場所から温度を測る“放射温度計”などを生産している。
「小さいお子さんはじっとしていないので、体温を測るのはひと苦労。また、高齢者は肌が乾燥しがちで、わきの下に体温計を挟むと痛みを訴えることも多いといいます。
耳の中に体温計を入れて測るタイプもありますが、直接肌に触れるので不特定多数の検温には不衛生。そこで、肌に触れなくても測れる体温計がほしいという要望があり、開発を始めました」
老若男女数千人の臨床データを採取。おでことわきの下、舌下、直腸の温度との関連性を徹底的に調べ、独自の変換プログラムにより体温の測定に成功。約1年かけて医療機器としての認証を受けた。
投射型非接触式体温計「パピッとサーモPRO」は、2014年に誕生したシリーズ3代目。おでこに近づけるだけで、自分が設定した部位(わきの下、舌下、直腸)の体温を測定可能。
測定体温は、10秒間投射表示されるので、自分のおでこに向けて測定後、壁などに映せば自分でも測定結果が確認でき、セルフ検温もできる。寒暖差の大きな場所に体温計を移動させても正しく測れる手動校正機能付きだ。
※女性セブン2016年4月14日号