次々と発覚する有名人たちの不倫。その多くが大きな代償を払うことになったが、それは一般人も同じことだ。
結婚歴12年のAさん(42才)は、子供がおらず共働き。夫との仲は悪くないが、刺激を求め、仕事先で知り合った同年代のSと5年以上、W不倫を続けていた。Sは妻に不満があり、会うたびに「妻よりきみが好きだ」とささやいてくれた。それがAさんに女としての自信を与え、だからこそ、家庭では夫にやさしくもできた。ところが──。
ある時、いつも使っているラブホテルに向かうと、そこにはSの妻が待ち構えていた。急いでSに連絡を取るが着信拒否に。あっけにとられるAさんは、Sの妻に無理やり部屋に連れ込まれ、「Sに聞いて全部知っている。土下座して、慰謝料900万円を払え。さもないとあんたの夫にバラす」と脅されたのだ。
驚きと恐怖で、言われるがまま土下座で謝罪したAさん。慰謝料も最終的に300万円支払ったという。
「W不倫をしている女性が、相手の男の妻から呼び出され、制裁を受けるケースがここ数年、とても増えています」
とは、不倫問題に詳しいノンフィクションライターの亀山早苗さん。
今年に入って不倫が発覚した宮崎謙介元議員(35才)や米米CLUBの石井竜也(56才)、文筆家・乙武洋匡さん(40才)をはじめとして、男性は、不倫がバレても離婚まで至らないケースが多い。しかし、W不倫がバレた時、女性は夫からDVを受けるようになったり、離婚させられ、子供と二度と会えなくなる場合も多々あるという。
数々の離婚問題に立ち会ってきた丸の内ソレイユ法律事務所代表の中里妃沙子さんはこう話す。
「不法行為による損害賠償について定めた民法709条により、夫が不倫した場合、妻は不倫相手に対して、慰謝料が請求できるのです」
裁判になった場合、賠償請求額の相場は100万~150万円ほど。ただし、不倫が長期に及んでいたり、不倫相手に反省の色が見られないなどの場合は、もっと多くの慰謝料が科される。不倫をすればお金を失う。今や文化の生まれる余地もないと思った方がいい。
※女性セブン2016年4月21日号