春野菜といえば、定番野菜に“新”や“春”の冠言葉が付いたものを思い浮かべるが、いつもの野菜とどう違うのだろうか。
「じゃがいもや玉ねぎは収穫後に貯蔵し、旨みと保存性を高めてから流通しています。ですが春には、完熟する前に早採りしたり、貯蔵せず収穫したてのものが店頭に並びます。それらが新じゃがとか春キャベツなどと呼ばれる春野菜。みずみずしくて、爽やかな甘みが特徴です」
と、野菜ソムリエの牧野悦子さん(以下、「」内同)。このほか、独特の苦みがあるたけのこなどの芽吹き野菜や、緑鮮やかな豆類があり、これらは植物の成長に必要な物質や栄養素が豊富。脂肪や老廃物をため込んだ体を目覚めさせ、デトックス作用を高める効果も。
これからおいしさを増す春野菜。食べなきゃ損ですよ! まずは、春キャベツをご紹介。葉の巻き方がゆるく、手に持つとふんわり軽く丸い形の春キャベツ。牧野さんが左手に持っている大きい方が春キャベツで、右手の寒玉とはこんなにシルエットが違う。
「丸形でも、手に持ってずっしり重いなら、育ちすぎて芯が伸びた冬キャベツです。選ぶ時には軽いものを選んで」
【おいしい食べ方】
水分が多くてやわらかいのが特徴で、サラダなど生食がおすすめ。
「緑色の葉にはビタミンCとカロテンが多く、芯の部分には胃の粘膜を正常に保つビタミンUが豊富です。ビタミンCとUは熱に弱いので、生で食べるのがおすすめですが、火が通りやすいのでサッと煮てもOK。甘みが増しておいしいですよ」
【保存方法】
春キャベツは切り口から劣化が始まるので、丸ごと購入がおすすめ。芯の部分に十文字の切れ込みを入れて成長をとめ、新聞紙にくるんでからポリ袋に入れて冷蔵保存を。食べる時は、外葉から1枚ずつはがして食べる。カットしたものも同様に。また、ぴっちりラップを巻いて保存すると、水蒸気がこもって傷みやすいので注意して。