小林よしのり氏が気炎を上げる。テレビ報道はもう終わった、と。向かう先は、『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日)の司会者として、その道の先頭を走り続けてきた田原総一朗氏だ。同氏はまだまだテレビには力が残されている、と返す。高市早苗総務大臣の「停波発言」の波紋が収まらないなか、2人が激論を交わした。
小林:先日(2月29日)、高市早苗の電波停止発言に対する、ジャーナリストの抗議会見があったでしょう。田原さんも出てたけど。そこで二つ、引っかかった。一つは、ポジショントークに陥っているのでは、という懸念です。
田原:ポジショントークっていうのは?
小林:つまり、右か左かという色が出過ぎちゃっている。安倍政権が嫌いだから高市発言を批判するっていう感じが強いから、結果、会見そのものも産経新聞とかは、小さくしか扱わない。
田原:読売もそうだね。テレビで言えば、フジ・日テレ・NHKの報道番組の出演キャスターにも声を掛けたけど、会見場に来なかった。
小林:安倍政権寄りだからですよね。(行ってはいけないと)お触れが出てたのかな。だからまさにポジショントークなんですよ。この問題は言論の自由に対する挑戦なんだから、右も左も関係なく、大きく報じなければいけないはずです。
もう一つは、なぜ怯むのか、もっと正々堂々、政府を批判すればいいじゃないかという(会見を取材したフリージャーナリストの)質問に対して、(登壇者が)きちんと答えられなかった。萎縮しちゃうのは、局内の人間は組織人だからでしょう。上の人間が怖い。
田原:そんなことない。上って、何? 労働組合もあるわけだから上とケンカができないなんてことはないよ。下の声が強くなれば、上は妥協するしかない。
小林:でも、現実には萎縮しちゃっているわけでしょう。