NHK朝ドラで今世紀最高の視聴率となった『あさが来た』に続き、『とと姉ちゃん』が好発進を遂げて早くも話題沸騰中だ。今後はいったいどんなストーリーになるのか。NHK関係者への取材から、気になる今後の展開をどこよりも早く“先取り”した。
●プロポーズを拒否させた「手編みのマフラー」
朝ドラに欠かせないのがヒロインの「恋」。高畑充希(24)演じるヒロイン・小橋常子(『暮しの手帖』を創刊した大橋鎭子がモデル)の“最初”の相手役は青柳商店の若旦那・清(大野拓朗)だ。清に「思っていた以上にきれいだったから」といわれて以来、常子にとって気になる存在だった。
だが、タイピストとして働き始めた常子が心惹かれるようになったのは、帝大生・星野(坂口健太郎)。星野は大阪の大学での勤務が決まると、常子に結婚を申し込む。
「星野と結婚するか、今まで通り働いて家族を支えるか、常子は悩みます。しかし、妹の美子(杉咲花)が常子のために編んでくれたマフラーがきっかけで、家族と一緒にいる道を選ぶ。史実では鎭子は一生独身を貫きますが、ヒロインが生涯独身を貫くとなれば、朝ドラ史上初です」(NHK関係者)
常子がタイピストをクビになり、出版社で働き始めたところで、時代は戦争へと突入する。そして戦後になると物語は雑誌『あなたの暮し』創刊に向けて動き出すのだが、ここでも新しい「恋」の予感が──。
●「昭和の名編集長」との関係はどうなる?
常子が出会ったのは、昭和の名編集長と謳われた花森安治をモデルにした花山伊佐次だった。
「2人の出会いは最大の見どころです。花山役の唐沢寿明さんは、『マッサン』でウイスキー作りのキーパーソンになった“鴨居の大将”こと鴨居欣次郎を演じた堤真一さんのように、豪快な演技を披露してくれるのでは」(朝ドラ評論家の田幸和歌子氏)
『マッサン』ではエリーと鴨居の大将、『あさが来た』ではあさと五代友厚(ディーン・フジオカ)の“仲”にやきもきした視聴者も多かった。常子と花山の関係にも注目が集まりそうだ。
「『暮しの手帖』の執筆者には、川端康成、井上靖、志賀直哉、井伏鱒二、三島由紀夫ら錚々たる顔ぶれが名を連ねていました。『あなたの暮し』も、文豪役としてどんな大物出演者が登場するかが本当に楽しみです。『花子とアン』の村岡花子も執筆者のひとりだったので、もしかすると吉高由里子との絡みが実現するかもしれません」(同前)
興味が尽きない今後の展開。待ちきれないファンとしては、どうしたもんじゃろのぉ……。
※週刊ポスト2016年4月22日号