「突然死」とは、直接の死因となる症状が現われてから24時間以内に死亡することをいい、心筋梗塞や脳卒中などで突然死する人は年間10万人にも及ぶ。「突然死するかどうかは、日々の何気ない行動のほんの些細な差で決まる」と内科医で『突然死しないのはどっち?』(すばる舎刊)の著書がある池谷医院院長・池谷敏郎氏は話す。運命を分ける二者択一。あなたはどっちの行動を取っている?
●ヨーグルトやフルーツを食べるのは食事の「最初」か「最後」か
ヨーグルトやフルーツに含まれる糖分は、ご飯やパンから摂取する糖分と体内で基本的に同じ働きをする。
「お腹がいっぱいでも比較的食べられてしまうこれらを食事の最後にデザートとして食べると、主食で十分糖質を摂取した後に、追加で糖質を摂ってしまうことになる。逆に最初に食べておけば、主食を全部食べ終わる前に満腹感を得られる。ヨーグルトやフルーツを食べた分、ご飯を減らすことを意識してください」(池谷氏)
過度な糖質制限は体によくないが、炭水化物などの糖質を抑えることは突然死の予防につながるのである。
●トンカツを食べる時、ソースは「つける」か「かける」か
高血圧は動脈硬化を進める要因で、心筋梗塞や脳卒中などによる突然死につながりやすい。高血圧と密接な関係にあるのが塩分の摂取量だ。
「ソースやしょうゆなどの調味料は塩分が多く、かけて食べると摂取量が増えやすい。塩分過多による高血圧を防ぐためにも、ソースは小皿に出して、チョンチョンとつけて食べるほうがいい」(池谷氏)
ただし、ソースに浸すようにして食べるのでは意味がないのでご注意を。
●「大勢とおしゃべりしながら食事」か「1人でテレビを見ながら食事」か
「ひとりで食べるのを『孤食』といいますが、孤食の人はどうしても早食いの傾向が強い。急いで食べると血糖値が速く上昇し、動脈硬化が進みやすい」
そう話すのは久留米大学医学部教授・山岸昌一氏。早食いでは満腹感が得られる前に食べすぎてしまうため、糖質や脂肪の過剰摂取にもつながりやすい。肥満になれば心臓への負担が重くなり、当然、突然死のリスクが高まる。
その点、大勢でおしゃべりしながら食事をすると「ゆっくり食べる」ことにつながる。結果、食べる量を減らし、血糖値の上昇も緩やかに抑えられるのだ。
※週刊ポスト2016年4月22日号