コラム

森永卓郎氏 ネット通販で格安「訳あり飲料」を大量購入

ネット通販をフル活用する森永卓郎氏

 今後、日本でも「格差社会」の進行が確実視されている。収入の伸びが期待できない中で、家計を防衛するにはどうすればよいのか。経済アナリスト・森永卓郎氏は「今こそ、超節約モードで生活を防衛していく必要がある」という。以下、森永氏が解説する。

 * * *
 昨年冬のボーナス支給額は、東証1部企業の平均が約73万円、中小企業を含めた全社平均が約37万円、国家公務員の平均が約72万となっています。勝ち組企業の社員と国家公務員だけが多額のボーナスをもらい、それ以外の一般庶民とは2倍以上の格差が出ているのです。

 年金支給額はマクロ経済スライド(年金受給額を賃金や物価上昇分よりも低く抑える仕組み)のスタートで、もはや増える期待は持てません。一方で、社会保険料の負担は重くなっていく。その結果、さらに格差が拡大するとともに、多くの国民は格差社会の下流に落ちる可能性が高いのです。

 その中で生き残るためには、まずは超節約モードで生活を防衛していく必要があります。

 今後は物価が上がることが想定されます。そもそも政府・日銀がデフレ脱却を掲げてインフレ政策を行なっている上に、もし中東で戦争が勃発すればひどいインフレが日本を襲うことは避けられません。後から振り返れば、現在の物価水準は非常に低かったという可能性が高いのです。

 そこで、まずお勧めしたいのは、缶詰やレトルト食品、パスタなど長く保存が可能な食料品を、まだ価格が安い今のうちに大量に買い込んで「備蓄」するという手法です。たとえば、東京の山手線圏内でも地域によって物価はまちまちです。同じ商品ができるだけ安く買える地域やスーパーなどを厳選して大量買いすれば、電車代をわざわざかけても十分にメリットのある買い物ができるはずです。

 また、ネット通販を徹底活用する手も有効です。アマゾン、楽天市場、ヤフーショッピングなどのサイトには、いわゆる「訳あり品」も多く出品されていて、驚くほど安く手に入れることが可能です。

 たとえば、昨年9月にJTが飲料事業から撤退したことに伴い、ネット通販でJTの飲料が信じられない値段で大量に販売されたのです。私も1本160円が正価の飲料を約30円という単価で大量購入できました。

 ネット通販では、買い方も工夫すれば、そうした商品をさらに安く手に入れることが可能です。たとえば、楽天市場では、スーパーセールのキャンペーン時に10ショップ買い回りすると、ポイント還元率が10倍アップ、つまり実質10%引きになり、クレジットカードの楽天カードで決済すると、その上に3%引きで買うことができます。また、パソコンではなくスマホのアプリ経由で買うと、それだけでさらに1%引きとなるのです。

 ネット通販では他にも、期間限定のポイントアップキャンペーンもたくさん実施されています。楽天でいうと、プロ野球の楽天イーグルスが試合に勝った翌日はプラス1%引き、サッカーのヴィッセル神戸が勝った翌日も同様、両チームが同日に勝った翌日は何と3%引きとなるのです。

 このようなポイントを次々に積み上げる技を駆使すれば、目当ての商品をとんでもなく安く買うことができるのですから、そうした手間を惜しむのは大きな損といえるのです。

※マネーポスト2016年春号

関連キーワード

関連記事

トピックス

1990年代にグラビアアイドルとしてデビューし、タレント・山田まりや(事務所提供)
《山田まりやが明かした夫との別居》「息子のために、パパとママがお互い前向きでいられるように…」模索し続ける「新しい家族の形」
NEWSポストセブン
新体操「フェアリージャパン」に何があったのか(時事通信フォト)
《代表選手によるボイコット騒動の真相》新体操「フェアリージャパン」強化本部長がパワハラ指導で厳重注意 男性トレーナーによるセクハラ疑惑も
週刊ポスト
太田房江・自民党参院副幹事長に“選挙買収”工作疑惑(時事通信フォト)
【激震スクープ】太田房江・自民党参院副幹事長に“選挙買収”工作疑惑 大阪府下の元市議会議長が証言「“500万円を渡す”と言われ、後に20万円受け取った」
週刊ポスト
2024年5月韓国人ブローカー2人による組織的な売春斡旋の実態が明らかに
韓国ブローカーが日本女性を売買春サイト『列島の少女たち』で大規模斡旋「“清純”“従順”で人気が高い」「半年で80人以上、有名セクシー女優も」《韓国紙が哀れみ》
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【国立大に通う“リケジョ”も逮捕】「薬物入りクリームを塗られ…」小西木菜容疑者(21)が告訴した“驚愕の性パーティー” 〈レーサム創業者・田中剛容疑者、奥本美穂容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン
国技館
「溜席の着物美人」が相撲ブームで変わりゆく観戦風景をどう見るか語った 「贔屓力士の応援ではなく、勝った力士への拍手を」「相撲観戦には着物姿が一番相応しい」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【20歳の女子大生を15時間300万円で…】男1人に美女が複数…「レーサム」元会長の“薬漬けパーティ”の実態 ラグジュアリーホテルに呼び出され「裸になれ」 〈田中剛、奥本美穂両容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン
前田亜季と2歳年上の姉・前田愛
《日曜劇場『キャスター』出演》不惑を迎える“元チャイドル”前田亜季が姉・前田愛と「会う度にケンカ」の不仲だった過去
NEWSポストセブン
timelesz加入後、爆発的な人気を誇る寺西拓人
「ミュージカルの王子様なのです」timelesz・寺西拓人の魅力とこれまでの歩み 山田美保子さんが“追い続けた12年”を振り返る
女性セブン
不倫報道の渦中にいる永野芽郁
《私が撮られてしまい…》永野芽郁がドラマ『キャスター』打ち上げで“自虐スピーチ”、自ら会場を和ませる一幕も【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
電撃引退を発表した西内まりや(時事通信)
電撃引退の西内まりや、直前の「地上波復帰CMオファー」も断っていた…「身内のトラブル」で身を引いた「強烈な覚悟」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 自民激震!太田房江・参院副幹事長の重大疑惑ほか
「週刊ポスト」本日発売! 自民激震!太田房江・参院副幹事長の重大疑惑ほか
NEWSポストセブン