自分が死ぬなんてまだまだ先のことだと思っていたら、ある日突然あの世行き──死への準備ができないままに人生を断たれる「突然死」は、自分自身にとっても、残された家族にとっても悲惨な死に方だ。突然死のリスクを避ける生活習慣を専門医に聞いた。
●ランニングするなら「早朝」か「夕方」か
健康のためにランニングを、と思っている人は、時間帯に気をつけたい。「朝起きてすぐに走る」か「仕事終わりの夕方に走る」かでは、突然死リスクに大きな差がある。小田原循環器病院院長の杉薫氏が解説する。
「心臓が原因の突然死の90%以上は不整脈を伴いますが、朝方は不整脈が起こりやすい。起床後1時間くらい置いてから体をほぐす程度の体操をするのはいいですが、すぐに走ることは狭心症や心筋梗塞、脳出血などを起こす危険があります。ランニングするなら夕方のほうがいい」
ただし、ハードワークで疲れているような時は、夕方でも走るのは控えるべし。
●ペットを飼うなら「犬」か「猫」か
ペットを飼うことは癒しにつながり、血圧の安定に役立つ可能性がある。ただし、「犬を散歩させているから健康にいい」と考えるのは早計だ。『脳卒中、心筋梗塞、突然死を防ぐ101のワザ』の共著者で東京都健康長寿医療センター副院長の原田和昌氏が語る。
「犬の散歩中に心筋梗塞を起こす人は多く、とくに朝の時間帯に多発しています。大きな犬の場合、散歩の際に引っ張られて走るはめになり、許容範囲を超えた運動になる恐れがあるからです」
飼うなら小さめの犬か、猫にしたほうが無難だ。
※週刊ポスト2016年4月22日号