「自分の先祖の大河ドラマを見ていると、身近というか切実といいますか。ひとつ間違えれば、うちはないですから毎回ハラハラしています(笑い)」と語る真田家14代当主・真田幸俊さん(46才)。
真田家を継ぐお殿様にして、慶應大学理工学部の教授だ。
日本の東と西の境界にある信州で徳川勢と石田勢の両陣営から戦に加わるように請われなどしながら、さまざまな戦略で生き延びてきた真田家。
大泉洋(43才)演ずる現実的な長男・信幸は家名を守り、堺雅人(42才)演ずる次男・信繁は後に豊臣勢として戦場に散ったヒーローとして武名を守った。
その信幸の末裔が幸俊さん。15才のとき、早逝した父を継いで、“若様”として当主になった。といっても戦後の華族制度の廃止で経済的な余裕はなく、奨学金で慶應大学を卒業後、カナダに留学した。
現在、首都圏に住み、教授の仕事のかたわら“お殿様”としての役目も果たし、2人のご子息に次代の“お殿様”としての心得を少しずつ教えている。そして教授としては、「信幸の遺訓に“領民を大切にし、家臣に思いやり”って書いてあるんですが、学生に対しても同じで、公平に接するよう心がけています」。
日本の歴史に確かな足跡を残した大名の子孫として、そして日本の未来を担う若者への教育者として、人生を歩み続ける真田さん。静かなたたずまいの中にピシッと芯が通った素敵なミドルエイジでした。
※女性セブン2016年4月28日号