更年期を境に薄毛や抜け毛に悩む女性は増えていく。男性に最も多い「男性型脱毛症(AGA)」は、男性ホルモンとの関係が深く、しかもそれに関与する遺伝子が特定されているため、原因が解明され治療の方向性も決まってくる。
しかし、女性の薄毛や抜け毛は、原因も複雑。なかでもいちばん関連性が高いのが、女性ホルモンの低下だ。
「髪は外見的な要素が強く悩む人も多いのですが、かといって、命にかかわる部分ではありません。薄毛は加齢変化の1つのサインであり、自分の体のことをきちんと考える時期にきたと思ってください」(AACクリニック銀座院長浜中聡子さん・以下「」内同)
女性の薄毛は、男性のように特定の部位だけが薄くなるというよりは、頭頂部から徐々に薄くなる「びまん性脱毛症」が多い。一気に抜けることはないので必要以上に不安がることはない。だが、加齢による自然現象なので、生活習慣を改善するだけでは止められないのも事実だ。
「保険診療で処方できる薬を服用し、薄毛をくい止めるのには限界があります。やはり、頭髪外来など専門クリニックを受診して」
浜中さんの病院では、内服薬や外用薬、医療用サプリメント、点滴など、自分に合わせた治療が可能だという。
「更年期症状が目立つ場合は、ホルモン補充療法も併用を。7~8割の患者さんが、治療開始から半年くらいで効果が出ていますよ」
治療とは別にウィッグなどの方法もある。
「更年期症状を緩やかにするために、エストロゲンと構造がよく似ているイソフラボンを多く含む大豆製品を意識的に摂るのも得策です」(山岸さん)
※女性セブン2016年4月28日号