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近ごろ人気が高まる鉄のフライパン 使い込む熱源を選ばず

使うほどになじむ鉄のフライパン

 鍋や包丁などを厳しい目でセレクトする『釜浅商店』の店主・熊澤大介さんは、ここ2年ほど鉄のフライパンの人気が高まっていると言う。

「時短ばかりの風潮に疑問を感じ、丁寧な暮らし方に憧れる人が増えたことがきっかけでは。鉄は重さや手入れの面倒さで敬遠されてきまし たが、使い込むことで扱いやすくなり、多くがIH、ガス、オーブンと熱源を選ばない点も人気の理由でしょう。

 温まると熱を蓄えてじっくり放出するので、食材を入れても温度が下がらず、炒め物に最適。熱に強く、強火で炒めると野菜は水分が飛んでシャキッと、肉はジューシーに。食材のこびりつきやサビやすいという難点はありますが、手入れをするほど使いやすくなります。一枚板の鉄を機械でプレスするものが大半ですが、職人がハンマーで叩いて成形(打出し)するものもあります」(熊澤さん)

 フライパンといえばプロのように振ることを想像してしまうが、コンロに置いたまま菜箸で食材を混ぜれば適度に火が通るので、重さはあまり気にしなくてもいいと言う。

 一方、コーティングも進化している。便利グッズからプロ仕様まで多彩な調理道具が揃う『飯田屋』六代目の飯田結太さんは、「コーティング系の大半は今でもフッ素です。はがれやすいので何層にも重ねたり、他の素材と混ぜることで、強度を増したものも。気軽に使いたい時には もってこいです」と話す。

「火にかけると短時間で温まり、食材がこびりつきにくいので、扱いがラク。忙しい朝やパスタソースと和えるなど手早 く料理したい時に便利。フッ素を何層も重ねたり、チタンやダイヤモンドを混ぜたものは長持ちしますが、たいていのものはきちんと手入れしていても3年前後 が寿命です」(飯田さん)

 フッ素コートはIH用とガス用があり、IHは急激に高温になって焦げやすいため、底を厚めにしている。値段は若干高めだがガスにも使え、じっくり火が通るので料理の味もアップ。特徴を知って使い分ければ料理上手に!

撮影■高橋進

※女性セブン2016年4月28日号

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