大阪・泰聖寺(たいしょうじ)では、ペットの火葬や納骨といった供養だけでなく、飼い主とペットが一緒に入れるお墓を建てることができる。訪問火葬の依頼が月に100件も。犬、猫、 鳥からカメレオンまで。
泰聖寺で供養されるペットで最も多いのは犬。次に猫、鳥と続く。種類は多様で最近ではカメレオンを火葬したこともあるという。
大阪市在住のA子さん(50代)は、もともと泰聖寺の檀家だった。昨年春に愛犬が亡くなってから、定期的に供養祭に参加している。
「以前、知人のペット葬に参加したことがあります。そこはお経をテープで流していましたが、こちらのお寺では住職が丁寧にお経をあげてくれます。ペットは家族ですから、人間と同じように丁寧に供養してあげると、天国で幸せに暮らしているに違いないと安心できます」
同寺にある母のお墓に愛猫を入れたのは、大阪市に住む40代のB子さんだ。
「昨年母が亡くなり、今年3月に愛猫が16才で亡くなりました。亡くなった猫は母にとてもなついていて、母が病床に伏せっていたときも悲しそうな顔をしながら側にいたり、母が亡くなってから私が仏壇の前で手を合わせていると、いつも隣に座ったり…。
だから猫が亡くなったときに、母のそばに納骨してあげたいと思ったんです。母も猫も安心すると思います」
両親、夫、子供、孫…大切な家族と同じくらい愛しいペット。その存在は、今の時代、“かけがえのない”という言葉では表しきれないほど大きくなっている。
自分の、そして家族の「終活」を考えるのと同様、ペットの“最期”を考えたとき、限りなく人間と同じ形で供養してあげたいというのは当然のことなのかもしれない。ましてや、いなくなった後も、一緒のお墓で過ごせるならばこんなにうれしいことはない――そんな家族の願いを叶える寺には、今日も多くの人が足を運んでいる。
※女性セブン2016年4月28日号