アレルギーというと、花粉や食べ物が原因となっているケースが多いが、もちろんそれ以外の原因もある。たとえば、天然ゴムを使用している製品に触れることで、皮膚の赤みやかゆみ、じんましんなどの症状が出る「ラテックスアレルギー」もその一例だ。
天然ゴムはゴムの木の樹液が原料で、この樹液の中に含まれるたんぱく質がアレルギー反応を引き起こす原因となり、特に医療従事者など、日常的にゴム製品を使用する人に多く発症する傾向がある。アレルギー疾患の専門医・福冨友馬さんが解説する。
「ラテックスアレルギーになると、特定の果物によってもアレルギー症状が起こることもあります。これを『ラテックス・フルーツ症候群』と呼びますが、関係する果物には、バナナ、キウイ、アボカド、くり、パパイヤ、いちじく、メロン、マンゴーなどがあります」(福冨さん、以下「」内同)
ラテックスに含まれるたんぱく質と、果物に含まれるたんぱく質の構造が似通っているために、アレルギー症状が起こってしまうのだ。
『ラテックス・フルーツ症候群』の主な原因となるたんぱく質は、加熱しても分解されにくいため、発症した場合は食べないことが基本対策となる。
また、プールの水に含まれる塩素には、アレルギーを悪化させる可能性がある。塩素はプール内の雑菌の繁殖を抑える役割を果たしているが、この塩素によって体の粘膜が傷んでしまい、アレルギー症状が悪くなるのだ。
「一般的に水泳でぜんそくが改善するといわれていますが、最近では塩素で気管支が傷み、かえってよくないのではないかと考えられています。鼻づまりや咳、皮膚の炎症などの症状がプールから出た後に頻発するようであれば、塩素によってアレルギーが悪化した疑いが。症状の程度によってはプールに入るのを控えて」
さらに、驚くことに薬用石けんでもアレルギーが発症する。
「薬用石けんにはトリクロサンという強い殺菌成分が含まれており、これが免疫のバランスを壊し、アレルギーを発症させるだけでなく、甲状腺機能障害や筋力低下を引き起こす懸念もあります」
アメリカやEUではトリクロサンを含む商品の販売を将来的に禁止する地区もあるほど。薬用石けんやハンドソープを購入する際は成分表を確認し、トリクロサンが含まれている商品は避けたほうがいいだろう。
※女性セブン2016年4月28日号