将来を嘱望されたバドミントン選手が裏カジノに出入りしていたことにより、五輪出場を断念せざるを得なくなった。そんな、裏カジノ関係者からはサッカー選手や力士らが客として来ていたといった証言も続々出ている。
そしてスポーツ選手だけでなく、多額のカネを持つ芸能人も、裏カジノにはまりやすい。違法だとわかっていても、パチンコや競馬では考えられない額のカネが動き、勝つ瞬間の高揚感が止められない理由のひとつに挙げられるが、裏カジノの居心地の良さも、彼らが足繁く通ってしまう要因のひとつだという。
一般的に裏カジノでは店内に厨房があり、食べ物や飲み物、タバコなどはすべて無料。寿司など、店内にないものが食べたければ、店員が買いに走ってくれる。24時間営業で昼夜問わず好きなだけいていい。誰からも干渉されずギャンブルに集中できる。
ただ、当局の摘発というリスクに常に晒されているのも事実。そのリスクがないと言われる「大使館カジノ」を主戦場としているのが、大物芸能人たちである。
大使館カジノは、その名の通り外国の大使館の施設内に開かれたカジノで、治外法権のために摘発されることがないとされている。東京・港区にある某大使館には、大物お笑いコンビの芸人や、紅白歌合戦の常連歌手などが足を運んでいるという。
「その芸人さんはテレビで見た通り大きくて威圧感がありましたが、気さくな方で負けても笑顔で帰っていく。一方の歌手の方は感情を表に出すタイプ。勝てないと“なんでやねんな!”と台を叩くんです」
彼ら有名人は裏カジノにとっては上客となる。ベテランディーラーが証言する。
「裏カジノでは、手練手管のディーラーがカードを操作するイカサマ行為が横行しています。スポーツ選手や芸能人は周囲の目もあるので、イカサマだとわかっても強く抗議できない。彼らのほとんどがトータルでは負けているはずです」
裏カジノの売り上げは、3か月で1億円以上とも言われる。摘発を逃れるために3か月ほどで場所を変える店もあれば、“逮捕要員”を用意して、捕まるまで営業を続ける店もある。
世間が賭博騒動で騒ごうとも、今日も鉄火場では、有名人たちが大金をバラ撒いている。
※週刊ポスト2016年4月29日号