日本マクドナルドのサラ・カサノバ社長兼CEO(51)は、会見ではクールなできる女性のイメージだったが、その本当のキャラクターを推し量ったメデイアはあまりない。カナダ出身で、夫と2人で日本に来日した彼女。
最初の赴任地はカナダ。続いて、ソ連崩壊直後のロシアに渡るように命じられる。混乱のなかにあるロシアに渡るか悩んだカサノバは父に相談し、背中を押される。その後、トルコ赴任など、各国を経験した。結果的に広い視野を得た彼女は、マレーシアの経営責任者であるマネージングディレクターにまでなる。そんな彼女の新たな挑戦が日本マクドナルドの再建だ。カサノバはどんな人柄で、なにを思っているのか。
(インタビュー・構成/山川徹 撮影・ヤナガワゴーッ! 文中敬称略)
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今回、メディアでは初めて女性セブンはマクドナルドの社長室を取材することができた。寄せ書きがところ狭しと飾られている。
〈サラさんへ〉
そう記された色紙には、かわいらしいカサノバの似顔絵を囲むように店舗で働くクルーからのメッセージが寄せられていた。
〈こんなに一生懸命になって働くことのできるマクドナルドに出会えたこと、とても幸せに思っています〉
〈以前、サラさんと一緒に撮って頂いた写真を見て元気をもらっています〉
そういったプレゼントを目につく場所に飾るのが女性らしい。いや、色紙だけでない。室内にファンシーなグッズが整然と並ぶ。
おじゃる丸やくまモンの人形、水泳で表彰されたトロフィー、スイマーとして尊敬する北島康介のサイン入りポスター、ドナルド・マクドナルドの実物大の靴、大相撲の懸賞旗…。
余談だが、マクドナルドの社員はもちろん、店舗スタッフもみな彼女のことを「社長」ではなく、「サラ」「サラさん」と呼ぶ。その理由がはっきりとわかったようだった。
色紙を手に取ったカサノバは「週に1回は必ず店舗に足を運んでいます」と言う。
「私たちのビジネスを支えてくれているのが、お店で働くスタッフ。だからいつも1人1人に感謝の言葉を直接伝えるようにしています。
彼らが実際にお客さまにハンバーガーとサービスを提供してくれているわけですから」