開幕前の大方の予想を裏切って首位争いに絡む中日を支えるのが、ホームラン数でリーグ2位(6本)、打率1位(3割7分)、打点3位(14打点=いずれも4月20日時点)と打ちまくる新外国人の4番・ビシエドの活躍だ。
阪神との開幕3連戦での3試合連続アーチでファンの度肝を抜いたが、首脳陣は「本当に大丈夫か?」とヒヤヒヤだったという。
「開幕直前の3月に『3人目の子供が生まれるから』という理由でアメリカに帰ってしまった。しかも、生まれた赤ん坊の体調に異変があるとかで、予定よりも日本に戻るのが遅れた。やっと戻ってきたと思ったら、試合前に報道陣に囲まれて『時差ボケで眠い』なんて軽口を叩いてしまうのんびりした性格の持ち主。周りはずいぶん心配していました」(ドラゴンズ番記者)
今のところその心配は杞憂に終わっている。
「メジャー通算66本のビシエドが1億7000万円。いい買い物をした」(同前)
もちろん、新加入の助っ人が期待通りに働くケースは稀。「話が違う!」という声も聞こえてくる。熱烈なタイガースファンで知られるタレントのダンカン氏はこういう。
「いつもの年ならダメ外人といえば阪神。3億円も払ったのに7試合で自打球骨折して帰ったグリーンウェル(1997年)をはじめ、ハズレくじばっかり引いていますが、今年はその“病気”がお隣のオリックスにうつったみたいです。とくに中継ぎ左腕のミッシュ(年俸6200万円)はひどい」
ミッシュは4月9日のソフトバンク戦、5回1死満塁の場面で来日初登板。その初球でまさかのボーク判定を受け、「0球で1失点」という珍記録を打ち立てた。
「その翌日もホームランを打たれ、2試合で防御率10.13。即二軍落ちが決まりました。2月に宮崎で入団会見した時は、『アメリカでしっかり調整してきた』と自信満々の口ぶりで、わざわざ会見からその足でブルペンに入り、50球投げてみせた。開幕一軍かと思ったが、その直後にインフルエンザで離脱。ようやく一軍に上がったと思ったらあの有り様です」(スポーツ紙デスク)
オリックスは他にも「自称・最速166キロ」の守護神候補・コーディエ(年俸9700万円)が、登板4回で防御率13.50の大炎上。
「オープン戦では5試合投げて被安打ゼロの完璧なピッチングだったので、福良(淳一)監督も冗談で『ランナーを背負ったら人格が変わったりして……』と笑っていたが、それが現実になった。開幕戦では四球の後に牽制で悪送球、そこからメッタ打ちでした」(同前)
昨季DeNAから加入した大砲・ブランコ(年俸2億5000万円)も故障で離脱中と、ハズレくじばかりのオリックスは開幕からパの最下位をひた走る。
※週刊ポスト2016年5月6・13日号