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京都で修行積んだ犬の住職 悟りを開いているので悩みはない

京都で修行を積んだ犬の住職・マル

 毛利元就の菩提寺である洞春寺。ひっそりとした佇まいの山門をくぐり奥へ進むと、思慮深い面持ちで横たわる白い犬。そして、そのかたわらには…『マル住職は問答無用かみつきます』の張り紙!?

「もう私も12歳になり、そうそうかみつきませんよ。ちゃんとリードも付いてますし」

 子犬のころから京都のお寺で修行を積み、お坊さんと共に育ったマル。だから以前は有髪の人や女性にはもれなく吠えていたそうだが、洞春寺で暮らすうちに慣れてきたという。

「ここに来たのは9年ほど前のこと。修行仲間だったリア住が呼び寄せてくれたのです」

 ちなみに、リア住というのは“リアル住職”の略で、人間の深野宗泉住職のこと。同じ紀州(和歌山県)出身ということで気が合ったという。

「リア住は常に私を立ててくれますね。『犬の中の犬、お坊さんよりお坊さんらしい犬』と褒めてくれますが、私は当たり前に暮らしているだけです」

 散歩を兼ねた托鉢(仏教僧が経文を唱えながら人家をまわり、食べものなどをいただくこと)では、ソーセージなどをもらうこともある、マル住職。

 昨年の12月には、境内にある児童養護施設の会長にも就任し、こちらでは穏やかな表情で子どもたちの癒しの存在になっているというから、やはりただ者ではない。

【プロフィール】
名前:マル ♀
年齢:12歳
種類:犬(紀州犬)
勤務先:洞春寺
職種:僧侶。昨年12月より児童養護施設会長も兼任。
主な仕事内容:僧侶として近隣のかたや参拝にいらっしゃるかたの癒しとなることと、寺の警備。児童養護施設の会長としては、子供たちの見守り。
お給料:僧侶なので、食べるものと寝る場所さえあればよい。
好きなこと:毎朝のお勤め。
嫌いなこと:お風呂。しかし修行僧は5日に1度の入浴なので、犬の私が1年に1度しか入浴しなくても問題ない…はず。
現在の悩み:悟りを開いているので、悩みはございません。
将来の夢:テレビには何度も出演しているので、次は映画に出たい。社会派の映画に主演し、カンヌ国際映画祭で主演女優賞をとりたい。

撮影■山口規子

※女性セブン2016年5月5日号

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