4月17日、学習院大学目白キャンパス(東京・豊島区)で、『オール学習院の集い』が開催された。幼稚園から大学までの在校生や学習院OB、保護者が参加する学習院全体を通じた学園祭のようなこのイベントは毎春の恒例行事。愛子さまは、学習院創立百周年記念会館で催された『オール学習院大合同演奏会』で、初等科管弦楽部の一員としてチェロを演奏された。
愛子さまは普段と変わらないご様子を見せられたが、会場の光景は例年と異っていた。
「毎年、観客席には必ず雅子さまのお姿がありました。また、学習院のOB楽団に所属される皇太子さまは、愛子さまとご一緒にステージに立たれたこともあります。ですが今回、会場に皇太子ご夫妻のお姿はありませんでした」(学習院関係者)
4月14日、熊本を中心に九州を大地震が襲った。これを受けて、皇太子ご夫妻は演奏会へのお出ましを急きょお取りやめになったのだ。
「地震の一報を受け、ご夫妻は心配そうな表情を浮かべられながら、新聞やテレビの報道をご覧になったり、地震の専門家に問い合わせて被害状況の確認をされていました。多くの人が被災し犠牲者も増えていく中でお出ましにはなれないと判断され、見合わされたということです」(宮内庁関係者)
しかしこのご判断を受けて、関係者の間ではある不安が囁かれていた。
「愛子さまが、大変なご不安や緊張を覚えられてしまうのではないか、と懸念する声があったのです。というのも、愛子さまにとってこの日が学校行事における初の“単独取材”となるからでした」(皇室記者)
お誕生日や夏の静養など、年に数度、愛子さまは公式の取材に臨まれている。そして例年、愛子さまの学校生活のご様子を伝える場がこの演奏会だった。
「会場には多くの記者やカメラマンが足を運び、愛子さまに大きな注目が集まります。ですが、例年はご両親も同じ空間にいらっしゃり、愛子さまにとっても安心できる状況だった。それが今回はご両親のお姿がない。しかもそれが不測の事態で直前に決まったわけですからね。“母子密着”とも呼ばれ、初等科時代には同伴登校もあった雅子さまと愛子さまですから、そもそも愛子さまはお出ましになることができるのか、といった不安の声もあったのです」(前出・皇室記者)
結果、愛子さまは普段通りのご様子を見せられ、心配は杞憂に終わった。愛子さまのお姿に「皇族としてのご自覚が感じられる」と前出の皇室記者は続ける。
「大規模な災害が発生した時に、両陛下やご夫妻が被災地に心を寄せられるお姿を、愛子さまはいちばん身近な場所でご覧になってきました。そして、それが皇族の役割であることも充分理解されているのです。そのご自覚をお持ちだからこそ、ご夫妻が参加を見合わせられたことを愛子さまはすんなりと受け入れられた。急きょ決まった中3デビューにも、愛子さまのお心構えは万全だったのだと思います」(前出・皇室記者)
撮影■雑誌協会代表取材
※女性セブン2016年5月5日号