「いまさらGWのホテル予約なんて…」と諦めるのはまだ早い
手軽に楽しめる国内旅行が人気だ。話題のスポットが増えていることや、格安航空や高速バスなどリーズナブルに移動する手段が増えたことも大きな要因。とはいえ、肝心のホテルが取れない状況は深刻だ。
特に、今年のゴールデンウィークは曜日の並びが良い。平日2日間休みが取れれば、最大で10連休も可能。そんな2016年のGW、「いまさらホテル予約なんて……」と諦める前に、意外なホテル予約術をホテル評論家の瀧澤信秋氏がレクチャーする。
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旅の目的地、観光スポットのホテルを予約するのは常識。1日ゆっくり観光を楽しみ、近くのホテルへチェックインするのは楽だ。とはいえ考えるのは皆同じ。そうしたホテルには予約が殺到。そこで、どうせ空いてないと諦める前に「宿泊だけは人気観光地を外す」テクニックを提案したい。
例えば、世界的に知られる観光都市の京都。南北に長い京都において東西の移動は注目されにくい。様々なジャンルのホテルが林立するが競争率が高い上、地下鉄や渋滞の多い市内をバスで移動しようとすれば30分なんて平気でかかってしまう。
一方、京都駅を起点として東へ15分も移動すれば滋賀県大津。琵琶湖畔のリッチなリゾートホテルが、京都に比べるとリーズナブルに狙える。もちろん予約も取りやすい。
このことに気付いたのが、夏休みお盆期間の土曜日という超繁忙日の体験だった。
京都市内のホテルはほとんど満室。空いていたとしても高級ホテルが最低5万円以上という状況。そのような中、京都駅から電車と無料シャトルバスで約25分の、琵琶湖畔「ロイヤルオークホテル スパ&ガーデンズ」という設備充実のリゾートホテルが2万円以下で予約できたのだ。
また、公共系の宿泊施設も狙い目だ。“公共系”とは、自治体や団体が経営や運営に関与している宿泊施設のことを指す。「かんぽの宿」や「休暇村」は馴染み深い有名施設だろう。その他、限られた施設数・客室数なので具体的な施設名は伏せるが、公共施設に付設された宿泊施設は狙い目といえる。
一方で、ガイドブックや予約サイトには掲載されず、知名度は低いものの、クオリティの高い宿泊施設が散在する。
筆者の体験としては、先般、春休みの土曜日・大阪という最悪な条件下で、約40平方メートルのツインルームをシングルユース5000円台で予約。中心部のターミナル駅から電車で20分ほどという立地で“ホテル”ではないが、駅前の豪華な施設での実に快適な滞在だった。同日に空室がまだあると聞いて驚いたものだ。
ターミナル駅から20分と書いたが、都心から郊外への鉄道はスピーディーなので、都心部でホテルまで右往左往するよりも、一気に郊外のホテルを狙うのもアリだ。東京でいえば、千葉のニュータウンにあるホテルなどは、都市部と比較してかなり安く、予約も取りやすい。