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ぼさぼさなほどたまらない! 文化系ロン毛男子漫画

【マンガ紹介】『セケンノハテマデ(4)』サラ イネス/講談社/596円

 ロン毛男子はワイルド系(現実世界の例:1995年頃の木村拓哉氏)と、文化系とに分かれるように思うのですが(どちらも捨てがたい)、マンガに登場するのはやはり文化系が多い気が。そして文化系の場合、なぜかぼさぼさであればあるほど素敵に見えるんですよね(例:エレファントカシマシの宮本浩次氏)。

 このたび完結した『セケンノハテマデ』は、売れ始めのバンド「メトロ6R4」のやる気があるんだかないんだか、な日々を描いた作品。ミュージシャンの地味めな日常(曲ができず猫をいじったり、バンでツアーに出たり、水族館でライブしたり)をのぞき見する楽しさがあります。

 こちらの中心人物となるギターのモーちゃんがかなり良きぼさぼさロン毛男子です。私服はジャージー+ビーサン。いい感じになっている女子もいたりするのですが極度な無口ゆえぐいぐい行けず、実家(赤坂の料亭!)暮らしで、猫に話しかけたり、ベランダで野菜や干物を作ったり…というなんかもう全体的に放っておけないこの感じが、ぼさぼさロン毛と絶妙にマッチ。

 というか、そんな人だから、ぼさぼさロン毛なんですよね。音楽(等文化系職業)にかまけているうちに伸びちゃったんだけど別にこのままでいいです感&「セケン」から外れてフリーダムに暮らしてます感がロン毛の先からもれ出して、われわれの心をくすぐるのです。ちなみにモーちゃんは、元営業マン。回想でビシッと短髪+メガネ+ネクタイ姿でもちょくちょく出てきますので、アンチロン毛のかたも、ぜひ。

(文/門倉紫麻)

※女性セブン2016年5月5日号

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