俳優・佐藤健(27才)が、映画『世界から猫が消えたなら』で主演を演じる。犬よりも、猫人気が高まっているともいわれる昨今、猫をどう扱ったらよいのかという情報を求めている人も増えてきた。そこで、動物プロダクション『ZOO』の北村まゆみさんに話を聞いた。
ネコは基本的に構われることが好きではない。だから、自分の嫌なことをする人を嫌うと北村さんは言う。
「抱っこが嫌いなネコもいるので、無理やり抱っこをすれば、もちろん嫌われます。目を合わすだけでも逃げてしまう子もいるんです。ではどうするか? 放っておくに限りますが、様子を見ながら、少しずつ近づいていくといいですね」
ドラマ『猫侍』シリーズの撮影では愛猫家として知られる、北村一輝(46才)の接し方に驚いたそう。
「うちのあなごとの顔合わせの時、北村一輝さんはいきなり抱っこをせずに、あなごの顔の前で人差し指をかざして、様子をうかがっていたんです。この人は本物のネコ好きだと思いました。
ネコは警戒心が強いので、その子がどういう性格なのかを判断するには、指をかざしてみるのがいちばん。すり寄ってくるようなら、近づいていい証拠。北村さんは、それをご存じだったため、そこから徐々に距離を縮めることができました」
抱っこ嫌いのネコを抱っこ好きにさせたい場合は、徐々に慣らす忍耐強さも必要だ。
「ひざにのせて徐々に慣れさせ、それでも嫌がる場合は無理しないこと。無理強いをすると抱っこが嫌いになってしまいます。しっぽや足を触ると嫌がる猫も多いので、できるだけ頭や背中をやさしくなでること。足先は特に敏感なので、肉球をもんで嫌がるときは、触るのをやめましょう」(東京猫医療センター院長・服部幸さん)
さらに、撮影に慣れているとはいえ、初めての場所や人にスターネコたちもやはり緊張する。北村さんは、現場で落ち着かせるために、おもちゃでリラックスさせることもあるという。
「小さいネコはまだよくわからないので近くに寄っても逃げたりしませんが、4~6か月になると駆け引きが始まります。また、大人のネコはおもちゃだとわかると無視をすることもあるので、あえて1mほど離れて、おもちゃを獲物のように見立てて、興味を持たせることもあるんですよ」(北村さん)
おもちゃで遊ばせることは筋力強化にもつながる。
「1~2才のうちは1日5分でもいいので、おもちゃで遊ぶと、精神、肉体ともに鍛えられ、健康なネコに育ちます。子ネコのうちは、毎日遊ばせるといいですね」(服部さん)
抱っこと同様、なでられることを避けたがるネコもいる。
「なでられて喜ぶ場所は、ネコによって違います。触れようとした時、避けるしぐさを見せたら、私たちはそこには触れません。まずは、やさしく体全体をなでて、なるべく触ってはいけないところを作らないようにしています」(北村さん)
※女性セブン2016年5月5日号