測量学の世界的権威である村井俊治・東大名誉教授の「MEGA地震予測」は、自身が顧問を務める民間会社JESEA(地震科学探査機構)が、メールマガジンなどで展開する予測法だ。全国の「電子基準点」のGPSデータから地表のわずかな動きを捉え、地震発生との関連を分析する。
熊本での大地震を受け、今後の警戒ゾーンはどうなるのか。最新のGPSデータとともに見ていくと、村井氏は、最警戒ゾーンとして「首都圏・東海警戒ゾーン」と「南海・東南海警戒ゾーン」を挙げた。その他の地域はどうか。
■北海道東部警戒ゾーン
■道南・青森警戒ゾーン
前回と比較し、北海道東部に警戒ゾーンが拡大、さらに道南と青森に新たな警戒ゾーンが設定された。
「沈降・隆起と水平方向の動きのどちらで見ても、釧路・根室・えりもが周辺地域と逆の動きをしているため注意すべきです。道南・青森については水平方向の歪みが顕著に大きくなっているため警戒ゾーンに加えました」(村井氏、以下「」内同)
■奥羽山脈警戒ゾーン
3・11以降、常に大小の地震が観測されている。
「かねてより奥羽山脈を境に隆起・沈降の差が大きかった地域。特に最近は太平洋側で隆起のスピードが急変する地点が増えている。そのためゾーン全体を少し太平洋側にずらしました」
■北陸・北信越警戒ゾーン
村井氏が長く警戒を呼び掛けているゾーン。「R大町3」(長野県)や「山中」(石川県)など多くの異常変動が起き続けている。
■南西諸島警戒ゾーン
今回の最新版で新たに加わった警戒ゾーンだ。
「沖縄本島、石垣島で大きな沈降傾向が見られます。トカラ列島で中小地震が頻発していることもあり、警戒を高めるべきです」
※JESEAでは毎週水曜日にメルマガ「週刊MEGA地震予測」(月額216円)、スマホ用ウェブサービス「nexi地震予測」(月額378円)で情報提供をしている。http://www.jesea.co.jp
※週刊ポスト2016年5月6・13日号