今や日本人女性の12人に1人がかかるといわれている乳がん。いつ自分に降りかかるともわからない。
昨年9月24日に右乳房の全摘手術を受けた北斗晶(48才)。約6か月、計9回にわたる抗がん剤治療がようやく終わった。薬の影響でパンパンにむくみ、結婚指輪はまだはめられずにいる。全身の毛が脱け、しばらくは帽子が手放せない生活。「これが本当に最後でありますように…」──北斗は夫で元プロレスラーの佐々木健介(49才)ら家族とともに祈っている。
そしてもう1人、南果歩(52才)は2月に早期の胃がんと診断された、夫で俳優の渡辺謙(56才)の手術に付き添い、病院に泊まり込んでいる際に人間ドックを受診して、乳がんが見つかった。
「本当にびっくりしました。でも病気って突然やってくるものなので、こういうことかなと思いましたね」──3月11日の手術から1か月あまり。まだ本調子ではないものの、仕事に復帰した女優の南果歩は、病巣が発見されたときの心境をそう振り返った。
しかし、乳がんといってもそのタイプ、進行度、悪性度によって治療内容は違ってくる。南の場合は「ステージI」。当時撮影中だったドラマのクランクアップを待って告知から約1か月後に手術を受けた。濱岡ブレストクリニック院長の濱岡剛さんが説明する。
「乳がんは大きく分けて、極めて早期の非浸潤がんと、血液やリンパ液を通じて全身にがんが転移する可能性のある浸潤がんの2種類に分けられます。治療法としては、患部のみの摘出手術から全摘手術、さらに抗がん剤治療やホルモン剤治療などさまざまありますが、どの治療をどう組み合わせるかは乳がんのタイプ、進行度、悪性度によって決まります」
乳がんの告知は、視触診、超音波(エコー)、マンモグラフィー(乳房エックス線検査)で異常が見つかった後、乳房に直接針を刺し、異常部の組織を採取してその結果をもとに行われる。ただしこの時点では、治療方針は定まらない。
「組織診の結果がステージ0でも、手術で切除した細胞を調べたらステージIやIIだとわかり、全身治療が必要になることがあります。最初の告知で“手術だけの可能性が高い”といわれても、その後、抗がん剤治療やホルモン剤治療が新たに必要になることも珍しくありません」(濱岡院長)
※女性セブン2016年5月12・19日号