天皇皇后両陛下を先頭に、小高い丘の上に並び立たれる皇族方。青々とした芝の生えたなだらかな斜面を下り、招待客の前にゆっくりと歩みを進められると、声がけをされ懇談を楽しまれる──。
毎年春と秋の2回、東京・元赤坂の赤坂御苑で、両陛下主催の園遊会が行われる。4月27日の『春の園遊会』には、宇宙飛行士の油井亀美也さん(46才)やノーベル物理学賞を受賞した東大宇宙線研究所長の梶田隆章さん(57才)、元サッカー女子日本代表の澤穂希さん(37才)らが招待された。
「園遊会は1953年にはじまり、実に60年以上にわたって行われてきました。招待されるのは国会議員や各都道府県の知事や議長のほか、文化、芸術、スポーツなど各界で活躍し、国家国民のために尽力した人たち。皇族方も一堂に会される行事で、皇室にとっても大変重要視されています」(皇室記者)
今回招待された約2400人の中には、黒柳徹子(82才)の名前もあった。
「黒柳さんは昨年10月に文化功労者に選出され、トット基金の理事長という肩書で招待されました。先だって11月4日には皇居で茶会が開かれ、黒柳さんは文化勲章受章者や橋田壽賀子さん(90才)らと出席しました。
茶会では各テーブルを両陛下が回られて懇談されますから、陛下や美智子さまともお話ししたことと思います」(前出・皇室記者)
美智子さまと黒柳の交流の歴史は、約40年前にさかのぼる。1979年、当時『ザ・ベストテン』(TBS系)などの司会を務めていた黒柳が、アメリカのろう者劇団を招聘し日本で手話劇の公演を行ったことがあった。
「当時はろう者や手話への社会的理解が低い時代でしたが、皇太子時代の陛下と美智子さまが公演を鑑賞されたのです。この公演には黒柳さんも出演していて、終演後には両陛下が楽屋を訪問され、出演者たちにお言葉をかけられました。
その様子がニュースで大きく報じられたことで、手話の表現力の高さや美しさが広く認知されたのです。黒柳さんは、美智子さまに大変感謝していると同時に、とても勇気をもらったとしみじみと話していました」(宮内庁関係者)
撮影■雑誌協会代表取材
※女性セブン2016年5月12・19日号